パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ユーハイムで展開する志賀シェフの新しい試み 丸の内スタイルのドイツパン(2ページ目)

東京・丸の内で新しくスタートしたユーハイムは菓子・パン・惣菜を展開するドイツの食の複合店。シェフベッカーはあのペルティエの志賀勝栄氏。ここでまた創造されるスペシャリテの魅力。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

パンは生地からすべて店内で作られる100%オールスクラッチ製法です。


フォルコルンブロート
ライ麦90%にパン粉を入れることで、さらに保湿性を高めた生地。 「これはただのパン粉ではないのです、バゲットのパン粉です」と志賀シェフ。
「ライ麦パンはしっとりと保湿性が高く、 その噛み応えも風味も、実は日本人の好きな焼きおにぎりの食感だったりする。」

新潟出身のシェフはお米好きでその食感を常に意識する。フォルコルンブロートの小さいサイズは形まで焼きおにぎりのよう。遊び心が見える。


シュバルツブロート(右)
ライ麦95%。丸麦をサワードゥでつないだパン。フォルコルンブロートの生地も配合されている。
これをアレンジしたのが
コルナンコルン写真
シェフが一番作り込めたパンだという。にんじん入り。グリーンペッパーの辛味、コリアンダーパウダー、アニス、ローズマリーなど各種エキスの目の覚めるようなスパイシーさ。かなり癖のあるパン。


オープスト
フルーツたっぷりのスウィートなパン。ペルティエのパンオフリュイ風だが、三角の型に入れてフルーツケーキのようにしっとりずっしり、シュトレン風に作り込んでいる。実際にシュトレンの漬け込みフルーツを使ったものなのだそうで、OPEN時の限定品。フルーツはクランベリー、レーズン、ピスタチオ、アーモンド、くるみ、オレンジ・レモン・シトロンピールをラムとワインとブランデーに漬け込んだもの。

トマーテン(右)
エルブドプロヴァンス、オリーブ、セミドライトマト、トマトピューレが練りこまれた食欲をそそる香りのパン。

その他、ボニファッツやチェダーといったチーズ入り、ブルストブロート(ソーセージ入り)などの惣菜パンや、 全粒粉を配合しているラウゲンプレッツェル。ヘーゼルナッツプードルを配合した生地にイチジクを丸ごと一つ包んだファイゲンブロート、 志賀シェフの考えるドイツのクロワッサンで全粒粉を配合したギプフェルなども魅力的。ベーコンやオニオンの入ったブリオッシュサレ、  カンパーニュ(小さな美しいスタイルのものもある。)なども一緒に並ぶ。


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