さりげないミニマリズムを感じさせるシンプルな空間はチクテカフェを思わせますが、こちらは 明るいガラス窓があって、パンの様子が外からも眺められます。工房はガラス戸で仕切られて いるので、時間によって焼きあがるパン達や銅板で直焼きされるマフィンを見ることができるかも しれません。
わたしは何よりそれが見たくて店に出かけたのです。
カフェに並ぶ(いつもすぐ 売れてしまう)パンも、宅配で届くパンも、陳列や包装の感じが素敵なので、生まれたての素顔は どんなかしら?と思ったのです。
一日90個近く焼かれるマフィンは予約で完売してしまう相変らずの人気。銅板の上で ひっくり返しながら焼かれる生地は、お餅のように白い肌をふーっと膨らませ、おいしそうな焦げ目を つけてもらうのを順番に待っているのでした。
おっとりしたやさしい雰囲気のチクちゃんも、パンを窯から出す時はテキパキとすばやく、力強く、 真剣なパン職人そのもの。マフィンを見守りながら、同時にしっかりした表情の 自家製葡萄酵母(サトウさん) のパンを次々焼きあげていきます。