鐘つきうどん きんちょう都心の喧騒を離れて1時間。埼玉県川越市は小江戸と呼ばれる観光地。江戸情緒が色濃く残る名所旧跡が多い街だ。小さなエリアに見どころ食べどころも密集している。歩いてみると魅力がひときわ実感できる。休日の散歩にふさわしい街である。川越探索ルートボンネットバスが似合う街並み●喜多院周辺JR川越駅より巡回バス(イーグルバス株)が出ているからこれを利用すると便利、市内をぐるりと一周してくれる。一日フリー乗車券は500円。今年2004年は徳川家光生誕400年ということでゆかりの川越は街全体に力が入っている。まずはゆかりの喜多院、仙波東照宮、中院周辺を散歩するのがお勧め。喜多院ではぜひ徳川家光生誕の間や、春日野局の化粧の間などを観ることをお勧めする。また中庭が美しい。川越の顔 喜多院有名な五百羅漢も面白い。ゆっくり一つ一つのお顔を見ていると親しい人に似ている羅漢様がいるという。ユーモアたっぷり顔や怒った顔、笑った顔泣いた顔といろいろある。ちょっと石像の痛みが激しくなってきているのが残念なところ。五百羅漢さまこのエリアでおなかが空いたら蕎麦屋さんが多い。手打ち蕎麦のお店が数軒喜多院の北側に点在する。でもここは名物の醤油味の焼き団子でも食べてやり過ごそう。うどんのお店にたどり着かないとこの記事の意味がなくなる。(笑)またバスに乗って本丸御殿や市立博物館などを観るのも良いが、喜多院から15分も歩けば川越の誇る蔵造りの一番街に出る。美味しいものがたくさん食べられるようにぜひ歩いて移動しよう。空が広い!!蔵造りの町並み●蔵造りの街江戸時代から続く街並みを保存したメインストリート。電線を地下に埋めたことで、電信柱のないすっきりした空が楽しめる街だ。電信柱や電線がいかに街の景観を遮っているのかが良くわかる。私はこの電線がないということだけでもこの通りが大好きである。街の色は黒。黒い瓦屋根と黒ずんだ扉や壁が本当の古さを感じさせる。その建物で現在も商売を続ける酒屋や、菓子屋などが頼もしい。新規開店と思われる店も雰囲気を壊さない建物のイメージと色彩を持っているのは、何か建築基準の規制もあるのかもしれないが面白い。賑やかな時の鐘周辺●時の鐘蔵造り通りの中ほどにある名所時の鐘木造の櫓のような建物である。この下に目指すうどん屋さん鐘つきうどん きんちょうがある。金長(きんちょう)という豆腐屋、うどん屋、魚屋と並んでいるからきっと何か関係が有るのだろう。目指すは真ん中の手打ちうどん屋だ。看板メニューには芋うどんの文字がある。芋うどん・・・さてさつま芋でできたうどんであろうか。●芋うどんうどんはご存知のように小麦と塩水でできるのだが小麦粉の中に素材を練りこむことで特徴のあるうどんにすることがある。比較的よく耳にするものに柚子うどん、蓬うどん、笹うどんなどがある。この川越の芋うどんはサツマイモの粉を混ぜてうどんを作る。主成分はでんぷんだからもともとの相性は良い。平打ちの少し黄色味をおびたうどんはしなやかだ。人気の小町セット 芋うどん小町セット1000円はいもうどんのせいろに炊き込みご飯、小鉢、サラダ、漬物、甘味が付く人気メニュー。芋うどんは喉越しの良い平打ち麺。昼時ともなれば行列必至。表の縁台に腰掛けて待つ人も多い。目の前には時の鐘。ゆっくりと眺めよう。芋を素材に使った芋そうめん、芋きしめんの単品もある。その日の気分で選んでみよう。天せいろ1160円太打ちのうどんも人気だ。ちょっとねじれた極太うどんは田舎うどんの風情たっぷり。少し粉の香りが残るような素朴なうどんだ。甘めのつけ汁との相性も良い。薬味は長ネギとわさび。天せいろにすればてんぷら5品付き。かなりのボリュームになる。お土産用半生うどんの販売もある。●ぶらぶら歩き腹ごしらえの後はやっくりと菓子屋横丁に向かおう。芋菓子、芋アイスや焼き団子、懐かしの駄菓子が待っている。川越祭りの山車を展示する川越まつり会館、蔵造資料館と観るところが多い。歩きつかれたら巡回バスのお世話になろう。川越市駅、本川越駅、川越駅と連れて行ってくれる。2004年は10月16日、17日が川越祭りでにぎわうだろう。絢爛豪華な山車が競い合う祭囃子の競演がみものだ。【鐘つきうどん きんちょうDATA】埼玉県川越市幸町6-13電話 049-223-0345営業時間 11時30分より午後5時定休日 原則月曜、変更あり。主なメニュー手打ちうどんせいろ 550円いもうどんせいろ630円いもうどん天せいろ1260円天せいろ1160円小町セットいもうどん1000円小町セット手打ち900円いもきしめん(山菜・餅入り)950円いもそうめん630円※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。