ガイド在住の関東エリアで美味しいうどん屋の一番手といえば中十条の『すみた』だろう。1999年夏の開店だから約3年で東京一という評判を手に入れたといえる。
店主の隅田さんは現在29歳。香川県の『源内』で修行したうどん職人である。お店は十条の演芸場通りにある。十条からも東十条からもほぼ等距離にある。下町風情のある商店街の真中にある。テーブル2卓とカウンターのお店で最大14名で一杯の小さな店である。店主一人で厨房を切り盛りして、ホール接客はご主人のお姉さんとお母さんが交代で行う家族経営の店である。


うどんの種類を分類すれば「讃岐うどん」である。大まかにうどんを分類してしまうと、大阪うどん。関東うどん。名古屋うどん。稲庭うどんなどが思い起こせるがやはり知名度と最近のブームを考えると「讃岐うどん」が代表選手だろうか。もちろんどのうどんも個性が有って地域に根ざした生活感のあるうどんなのが・・・。


『すみた』冷天おろしうどん


この『すみた』のうどんは東京では得がたい讃岐うどんなのである。世の中には手打ちの看板は有れど手打ちとはかけ離れたうどんや蕎麦を出す店は星の数ほどある。この『すみた』のうどんは本格的な手打ちうどんである。前日に捏ねられて踏まれて丸められた玉は朝、店主の手にかかって延ばされてうどんとなる。一日限定80食の珠玉のうどんとなる。

注文のたびに茹でられるうどんは光り輝いて表面の艶はうどんという食べものの概念を覆すかもしれない。白いブヨンとした丸い麺線とは異なり、手が切れるかもしれないほどのエッジの効いた角材を連想させる半透明のうどんは極めて美しい。


【一押しメニュー】
一時は3日と空けず通ったのだが現在ではそんなことは不可能だ。良くて週一回、悪いと月に一度のペースだ。なんと言っても売切れてしまうのにかなわない。そんな中で絶対に食べたくなるのが「かしわざる」だ。鶏の天ぷらが乗ったざるうどんだ。スパイスの効いたかしわ天とうどんの美味さが絶妙にマッチする。温かいうどんが好みなら「かしわうどん」も見逃せない。一つに絞れなくて悩む姿や1人で2杯、3杯食べてしまう光景も良く見かける。天ざるも絶品なのだが・・・こうやって悩むわけだ。



『すみた』のうどんを食べてうどんに目覚める人が多いのだ。それははっきり言えば驚きなのだ。東京でこの味を味わえる驚きは一度香川を訪れてみると良くわかる。本場讃岐へ行ったとしても『すみた』はトップクラスのうどんの店なのだ。最近テレビや雑誌やインターネットでの露出が多くなって開店当時の隠れ家的名店という役割は終わった。今はいかにして80食の中に入り込むのかという難しい店になってきてしまった。
隅田さんは増産には否定的だ。一人でできる範囲を続けたいようだ。それだけうどんのクオリティに妥協はないのである。



ファンとしてはゆっくりと仕事帰りにビールとおでんで一杯やって、うまいうどんで締めたいものなのだが・・・いまや幻かもしれない。

追記 2004年3月現在夜は運が良いとちゃんとおでんとお酒とうどんが楽しめます。お酒は悦凱陣を初めとしたマニアックな美味しいお酒が充実しています。季節限定のうどんメニューも随時発表されています。お楽しみに。
うどんはますますパワーアップ。美味いです。


【DATA】
讃岐うどん『すみた』
JR埼京線「赤羽」駅下車10分。
東京都北区志茂2-52-8 2009年3月24日十条から移転オープン
電話03-3903-0099
営業時間
火曜-金曜11:30-14:00 18:00-21:00ラストオーダー
土曜日・祝祭日 11:00~15:00
うどん売り切れじまい有り。
定休日第3日曜・毎月曜 (2004年4月より)


関連リンク
蕎麦ガイド井上さんの『すみた』探訪記

『すみた』のWEB
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。