フレンチ/東京のレストラン

ミクニマルノウチ(ブリックスクエア)(3ページ目)

丸の内に蘇った三國シェフの新スタイルフレンチ。江戸野菜に的を絞り、野菜フレンチの新境地を開くことができるか。現代の名工、三國清三の挑戦に終りはない。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

メインはタジン鍋を

魚料理は赤メバルのクルスティアン焼きに新玉葱のピュレやフリットが添えられる。こう見ると和食のように見えなくもないが、基本はしっかり素材とソースにある。ただ、個人的にはモダンな皿がいいのだが。。。
メバル
確かに驚くほど旨味のある玉葱だった

本来のメインは仔牛なのだが、アラカルトメニューにあるタジン鍋に変更していただく。これはオススメできるメインディッシュかも知れない。タジン鍋はモロッコ料理に使われるものだが、ここでは野菜と銘柄豚の東京エックスをシンプルにグリエし、一気に蒸し上げる。蓋を開けたときの野菜の芳香たるや、その香りも料理の一つであることがわかる。
タジン
野菜は蒸すことによってますます旨味が染み渡る

素材の出所はしつこいほど明確だ。そしてシンプルな調理法で素材を魅力をぐぐっと引き出しているところに三國シェフの本領が見える。『野菜』というこれまでは魚や肉の添え物でしかなかったものが主役になり、和食器を彩る。
デザート
メインデザートはイチジクを使った東京タルトとリンゴのソルベ

野菜だけのコース料理も珍しくない時代になったが、私は個人的にはがっつり肉派ソース系。途中ボリュームに物足りなさを感じたものの、2つのデザートまでいくとトータルで十分食欲は満たされる。世の中の傾向として料理はシンプルに、綺麗に、モダンになっている中で。地場野菜をフレンチの技法で活かしきるミクニなりの新しいフランス料理の世界を作ることができるのか。これは三國シェフの挑戦といってもいいだろう。
カヌレ
ラストは焼きたてのカヌレで締め括り

何年か前に、三國氏が現代の名工に選ばれた際の祝賀パーティーに呼ばれたことがあった。名だたる政財界の重鎮を前に、彼は最後この言葉で締め括った。

「何年たってもミシュランの星を求めていきたい。」

■ミクニマルノウチ ホームページ
住所:東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内ブリックスクエア2階
Tel.03-5220-3921
地図
Lunch 11:00~16:00(15:00 L.O.)
Dinner 17:30~23:30(20:30 L.O.)
Bartime20:30~23:30(22:00 L.O.)
無休(商業施設の休業日による)
※個室1室(4~6名)要予約
※全52席(バー4席含む)
※禁煙

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