ラ・ヴォワール（浦和）(3ページ目)

何といってもマダムの笑顔

メインは、クリームチーズを詰めた仔羊のパートブリック包み　ポルト酒ソースを。この料理には赤ワインが必要だ。煮詰められたポルトソースが羊に程よく絡み、パートブリックのパリパリした食感と共に気持ちも身体もゆっくりと満たされていく。この料理にはメインディッシュとして胃袋を締め上げる力がある。単にローストされた料理ではなく、仕込みと調理にひと工夫なされた作品に仕上げることで、より印象の強いものとなる。
今回の5800円のコースから感じたことはいま風の、軽やかで洗練されたフランス料理であること。しかしシンプルさと軽さ一辺倒ではなく、どの料理にもひと工夫なされ、シメるところはきりっとシメて、メリハリがしっかりつけられている。ここが鈴木シェフの持ち味か。
ムーリスやコルディアンバージュなどパリやボルドーの名店で修行を積み、恵比寿のウエスティンホテルで長く腕を振るった鈴木シェフ。しかし開店して半年程度で料理が完成されてはつまらない。素材、技術、アイデア、そしてホスピタリティがどんどん大きく絡み合っていくと、このレストランは長く長く地元に愛されることになるだろう。開店してから半年経つが、早くも地元の常連客が付いていると聞く。

マダムの笑顔がとても印象的だ。ぐっとひきつけるその存在は天性のものか。気品と華やかさが同居するマダムはオーナーシェフの店ではとても大切だ。お見送りの時の笑顔に私たちはふわ～っとした気分になって浦和駅までゆっくりとゆっくりと歩いていった。余韻もとても心地よいレストランである。
■ラ・ヴォワール（浦和）
住所：埼玉県さいたま市浦和区仲町1-11-12
地図
電話：048-753-9272
営業時間：ランチ　11:30～14:30（LO）
　　　　　ディナー17:30～22:00（LO 21:30）
夜のコースは3,980円、5,800円、8,500円、12,000円　その他アラカルトあり
定休日：火曜日

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