フレンチ/東京のレストラン

ヒロミチ(恵比寿)

昼は明るい陽光が差し込み、夜はシックなワインレッドに染まるHIROMICHI。シュマンの料理長を長く務めた小玉シェフ、満を持して自分の城を構えました。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

恵比寿

4月28日に開店したばかりのできたてほやほやレストラン、ヒロミチ。オーナーシェフである小玉弘道氏は溜池山王のシュマンのシェフを6年務めてきた。ミシュランの星を取った頃から小玉シェフの独立はまことしやかに囁かれていたのだが、満を持して100年に一度云々と言われるこの時期に店を構えるその覚悟たるやいかほどだろうか。ましてや競合店ひしめく恵比寿の地に、だ。
ヒロミチ
小玉氏は高校卒業後料理の世界に入るが、街場のレストランを転々とする中で着実に技術を身につけてきたのだろう。そうでなければ96年位だったか、神宮前にアンフォールが開店する時にシェフの菊地氏(現ル・ブルギニオンのオーナーシェフ)からスー・シェフとして声がかかることはなかっただろう。

今は無きアンフォールは、思えば小さな美食の箱だった。連日満席の店内にはいつも美味しい香りと賑やかな大人のざわめきがあった。菊地氏が独立する少し前にアンフォールを離れた小玉氏はル・ブルギニオンの開店の準備スタッフとして非常に短い期間だったがヘルプすることになる。彼はアンフォール時代から満席になる店づくりをしっかり見てきたのである。
メニュ
そのあとのシュマン(当初は乃木坂、その後現在の溜池山王に移転)はガイド記事になんどか書かせていただいたが、超個性的なオーナーソムリエ、柴田氏のもと、小玉シェフらしい、基本に忠実な安定した料理を出していたことを思い出す。当時はなかなか苦しい時期だったようだが、溜池山王の森ビル物件に移転してからは飛ぶ鳥を落とす勢いで今日に至っている。なんと言っても2年連続でミシュランの一つ星を獲得しており、ネット上での評判もすこぶる高い。
海ぶどう
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