フレンチ/東京のレストラン

ピエール・ガニエール・ア・東京(青山)

今一度、ヌーヴェル・キュイジーヌを考えてみたくなるガニエールの料理。料理とは何か、進化とは何か。料理とインタビューを交えた新しい世界を感じていただきたい。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

ピエール・ガニェール単独インタビュー

ピエール・ガニェール
厨房のピカソと言われるが本人は気にも留めていない様子だ
ピエール・ガニェールに会うのは3回目か。PGが開店してから早くも2年という歳月が流れた。先日発表されたミシュラン東京の星は2つ。

「まあ、最初にしてはこんなものじゃないかな。」

「日本を訪れる外国人にわかり易く、詳細に書かれていて、食の東京ということを売り込むいいきっかけになるかもしれない。」

「星2つというのは目指すものがあるということ。」


と話す表情は余裕に満ちたものに見えた。

この2年間のいい面、悪い面について尋ねたところ、「ファッションの最先端であり、上品な街でもある青山で続けられていることにはとても満足している。そしてスタッフが思いのほか残ってくれたことは何にも代えがたい喜びだ。」

改善しなくてはいけないポイントについてはサービスの質の向上を挙げている。「料理は認められた域に達しているのではないだろうか。これからはレストランでの食事全体
フランス料理
すっきりとしたテーブルとカトラリー
を楽しんでいただくために、今以上にサービスのクオリティを上げなくてはならない。」


ライバルであるベージュ東京から渋谷康弘氏を迎え入れたのはそのためなのだろうか。渋谷氏はこう話す。

「ホテルからスタートしてベージュ東京で責任ある立場を任された。ベージュは軌道に乗り自分自身としても次のステップを考えるようになった矢先のタイミングだった。」

フランス料理
様々な味覚が散りばめられたアミューズも魅力の一つ
サービスマンのプロフェッショナルを受け入れたPGジャパンは渋谷氏を単なる店舗のトップとしてではなく、カフェやデザート店舗まで統括する総支配人としてのポジションを用意して迎え入れることになった訳だ。

サービスと経営スタッフも兼ねるボードメンバーに加わった渋谷氏はこう語る。

「そうは言ってもサービス業の原点はまさに現場。ガニェール氏はこうした出張でもない限り必ず厨房に立っている。主人がいない鮨屋がないように、サービス業の原点は訪れたゲストを迎える主人やマダムが必ずいるところにある。私はそこに立ち返りたい。」

経営陣の一員としての責任を持ちながら愚直なまでに語る現場へのこだわり。これまでもところどころで垣間見えていた渋谷氏の現場に対する思いが改めて実現した形だ。

さて、料理は次のページに。

2年前のインタビュー記事はこちら
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