フレンチ/フレンチ関連情報

「目から鱗」の料理本現わる!!(3ページ目)

エムズキッチンの水島シェフが満を持して出版した究極の料理本。世の中の常識を根底からひっくり返してしまうかも知れない「今日からおいしくなる洋食のシンプルルール」。グルメな方、必読です。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

肉を美味しく焼くちょっとしたコツ


「しまさん、肉を焼くときはいつもどうしています?」  

「はい、フライパンを温め、熱くなったら油を引いてそこに肉を乗せます。強火でジューっと音がしたところで塩を振って・・・」

水島シェフはその答えを最後まで聞くまでもなく一刀両断。

「はい、そのすべての工程が間違っています。」

「えええええーーーーっ?」

「そのやり方のすべて逆をやればいいのです。」

肉
肉の焼き方はぜひ習得すべし
まず肉を常温(これはぶにょぶにょになるくらいの温度にもどす)に戻す。すると肉から水が出る。これがアク。そしてフライパンに油を引き、そこに肉を乗せる。そして弱い中火でゆっくり加熱。するとじわっと水気がフライパンに滲み出る。それをキッチンペーパーで丁寧に拭って・・・」

まさに目から鱗が落ちる料理本なのである。

基本は3つ。
火のルール
弱火、中火、強火以外の第四の火加減である『中弱火』をマスターすること。洋食では強火はほとんど使うことがない。

塩のルール
肉でも魚でも野菜でも「0.8%」が美味しい塩加減の正解。素材の味を引き出す正しい塩分だからブイヨンはいらない。料理人は経験で身体に染み付いているが我々素人は塩を量を正確に覚えなくてはいけないのである。

切るルール
玉葱を切っても涙が出ない、食材の風味が落ちない。正しい切り方のポイントは「食材に包丁が切り込む角度が30度」。包丁は安いもので構わないという。実際自分でもやってみたが不思議と涙が出ないのである。

私も料理を作ることが大好きだ。この3つをマスターするとスーパーで素材を見ながら、この素材とこの素材を組み合わせてこんなものを作ろうといったアイデアが湧いてくるのである。食べる以上に作ることが楽しくなる瞬間だ。

この3つのルールをベースに5つの章で構成されている。

1.卵料理でわかる火加減のルール
2.サラダでわかる和えるルール
3.ステキーでわかる焼くルール
4.シチューでわかる煮るルール
5.つけあわせ・献立のルール


サラダ
サラダは塩がポイントなのだ
ネタとしてもうひとつ。『サラダ』という言葉がある。そのサラダの「サラ」は塩というフランス語から来ているという。料理人がサラダを和えるときに水気を切って必ずと言っていいほど塩を振る。そしてその後にドレッシングをかけて混ぜていく。ドレッシングはその名の通りドレス。言ってしまえば下着は塩というわけだ。下着を着けずにドレスを着ると、それはそれはたいへんなことになる。

野球選手の基本は素振りとキャッチボール。イチローだって松井だって試合の前には必ずやるはずだ。練習をしないでいきなり試合に出ても結果は見えている。調理も同じ。人様が考えたレシピをこなす前に、切り方、塩加減、焼き方といった基礎の基礎を覚えてから次にステップに進むのが結果的に早道であり、その先にはきっとほんとうの楽しさが見えてくるに違いない。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます