フレンチ/フレンチ関連情報

「目から鱗」の料理本現わる!!(2ページ目)

エムズキッチンの水島シェフが満を持して出版した究極の料理本。世の中の常識を根底からひっくり返してしまうかも知れない「今日からおいしくなる洋食のシンプルルール」。グルメな方、必読です。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

包丁はなぜ切れるのか?

フランス料理
図解もわかりやすい
私がかつて水島シェフの料理教室に参加したときに、一番最初に投げかけられた質問が忘れられないでいる。

「嶋さん、包丁はなぜ切れるのですか?」

このなんとも答えようのない禅問答のような問いに対して、

「尖っているから」とか「鋭いから」とか間の抜けた答えをしている私は余りにも情けないが、包丁は「前から後ろ、後ろから前に動かす」から切れるのである。

なんだ、当たり前ジャン、そんなの。と思うかもしれない。ではニンジンを切ってみようではないか。まずは頭と尻尾を切る。そのあとはどう切っていくかはそれぞれだが、だんだんと切ると言うより、包丁を押してにんじんを寸断している自分に気付くはずだ。知らず知らずのうちに包丁を「押している」のだ。

私たちは無意識に野菜や肉を包丁を押すことによってニンジンを「潰しているのである」。子供の頃、朝ご飯に出てくる味噌汁に入れる葱を切る音を思い出して欲しい。トントントントンとまな板を叩く包丁の音が懐かしさを呼び起こす。が、しかし。これは切り方を根本的に間違えている。単に潰しているだけ。だから包丁は毎度毎度研がなくてはならない羽目に合う。

料理教室
カウンターゆえに料理教室は最大8名までの少人数で
シェフからの質問はさらに続く。

「しゃぶしゃぶを食べるときにかならずやることはなんですか?」

「はい、アクとりです!」こんなことは当たり前だよな、と思った瞬間だ。

「では、お肉を焼く時、アク取っていますか?」

「アク??ちょっと待ってよ、そんなの出ていたっけ?」

ここで会話が止まってしまうのだ。肉である以上、熱を通せばいらぬ水分、すなわちアクが必ず出るのである。それを取らないまま私たち自称グルメはあの灰色の汚いアクを毎度毎度身体に入れているというこの現実。結構気がつかないことが多いのである。

フライパンで肉を焼くときは必ずアクを取らなくてはいけないが、そのコツもわかりやすく書かれている。

さらに質問は続く。

「しまさん、肉を焼くときはいつもどうしています?」
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