色、香り、味わいのすべてを楽しみたい |
料理とワインの関係とはマリアージュ
初秋の銀座は並木通り。幾分かはもの淋しさを感じる季節だが、ここだけはいつも華やかで何かウキウキする気持ちになる。それもそのはず、パリの2つ星レストラン、ル・ブリストルの総料理長エリック・フレションとのロオジエのブルーノ・メナールによるガストロノミックコラボレーションが始まるからにほかならない。平日の昼下がりランチにしてこれほど優雅なものはないだろう。昨年5月にロオジエをガイド記事で取り上げさせていただいたが、今やメナール氏の料理も安定期に入り、伝統を踏まえた上に煌く新しいフランス料理の姿を実現している。
今回はパリのル・ブリストルの総料理長エリック・フレションとの合作メニュー。その創造性と革新性に非常に興味を持っていたのだが、それ以上に一皿一皿に合わせるワインとのマリアージュも興味深いものとして考えていた。
エルミタージュは熟成すると妖艶な香りを漂わせる |
そもそも、このワインにはこの料理、この料理にはこのワインとしつこく勧めるソムリエは嫌いだ。(あー、はっきり言ってしまった)。飲みたいワインと食べたい料理のバランスが崩れていなければ、だいたいにおいてある程度のマリアージュは実現するのである、というのが私の考え。ワインは第二のソースであるからして、合わせるワインによって料理の感じ方は微妙に変り、ワインも合わせる料理によって手元で微妙に変化するものなのである。
おっと話が脱線しそうなのでロオジエに戻ろう。