フレンチ/東京のビストロ

ブラッスリーヴィロン(丸の内)(2ページ目)

久しぶりに出掛けたヴィロンの丸の内店。抜群のアクセスの良さはともかく、ここはやっぱりバゲットレトロドールとボリュームたっぷりの料理だ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

シャンパーニュ
朝食と共にするシャンパーニュは格別だ
渋谷は東急本店前にあるブラッスリーヴィロンについてはかつてガイド記事で取り上げさせていただいたが、未だにアクセス数は非常に多く注目度が高いことがわかる。ボリュームたっぷりのポーションは飾り気のない分だけ、食べることに集中できるまさにブラッスリーの料理だ。

朝から深夜までやっていて、ビールやワイン、カフェなどいつでも気軽に利用できるブラッスリーはフランスなら駅の近くや交差点の角に必ず存在する。プライドが高そうなウエイターがきびきびと走り回り、観光客を適度にあしらい、常連客と世間話に興ずるのは極めてフランス的な風景だ。

渋谷のブラッスリーヴィロンの朝は9時から始まる。休みの日はシャンパーニュとオレンジマーマレードで目を覚ましたい。サラダやゆで卵が付く朝食セットを手軽に、そしてゆったり楽しめるのも休日ならではの楽しみだ。

カウンター
カウンターで、まずはアペリティフを楽しみたい
そんなヴィロンが丸の内にできて随分と時間が経つ。典型的な日本の伝統的オフィス街だった丸の内エリアは丸ビルができてからというもの、日本を代表するショッピングとグルメエリアになった。(丸の内店のブラッスリーの開店時間は11時30分)

ブラッスリーヴィロン丸の内は東京駅丸の内南口、もしくは有楽町の東京国際フォーラムからも程近い、アクセスの非常にいい東京ビル(トキア)の路面に面した好立地にある。

パンに関してはもはやここで語ることもないだろう。バゲット・レトロドールにエシレのバターをつければそれだけで極上の食事になるだろう。となりにあるフーガス・トマトやパヴォーなども素朴さの中にはちょっとしたアクセントが仕込まれており、パンを食卓に並べる楽しさがどんどん拡がることは間違いない。

ブーランジェリーの横にカウンターがあり、そこでカフェやワイン、シャンパーニュなども楽しむことができる。その奥の通りに面したスペースがブラッスリーとして、食事やビール、ワインが楽しめるエリアになっている。適度な雑然さがかえって心地さを生み出している。

パン
どれを選んでもハズレがないパンの数々
人気店ゆえ週末に限らず予約が必要だが、カウンターでビールを飲みながら席が空くのを待つのも楽しい。

サービススタッフはテンポ良く、あれこれとお客を捌き、サッカーの審判のようにピッチを駆け巡る。攻めるのでも守るのでもなく、ゲームが滞りなく進ませるために。

ここはブラッスリーなんだから、お客は変にかしこまらなくていいし、いい加減でいい。サービスも、べたべたすることなく淡々というスタイルが似合う。だからこそ夜のみサービス料10%というのがやや気になるのだ。

さて、料理は次のページにて。
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