フレンチ/東京のレストラン

ポール・ボキューズ ミュゼ(六本木)(2ページ目)

国立新美術館内に忽然と聳え立つポール・ボキューズの偉大なるブラッスリー。伝統的フランス郷土料理と平松氏のビジネス感覚が新しいレストランのスタイルを創造しています。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

エントランス
1Fにはデリとカフェがある。

近未来の宇宙基地のような

乃木坂駅から国立新美術館へ繋がっているはずの改札口は閉まっていた。地上に出て左に回りこむと美術館の正面玄関があるが、夜になると物寂しいのは以前と変らない。玄関前の鉄のゲートは半分閉まっているが、中に入ると右手に伸びる緩やかな坂を上りながら曲線を多用したモダンな美術館の外壁を眺める。春になれば樹々も緑を纏い、芝も美しくなるに違いない。いくら暖冬とは言え冬の美術館は何か寒々しい。


外観
しかし、坂を上るアプローチにかかると気持ちがときめき始める。透明な外壁から中の様子が垣間見えるが、映画に出てくる宇宙基地のような造りになっている。中に入ると建物の中にレストランが占有する建物があると言った方がいいかも知れない。

私は夜景を売りにするレストランにはあまり興味がないのだが、ここはまったく違った。まず美術館という建造物のデザイン、そこにレストランが入ることを前提に作られた構造、そしてレストランそのもののデザイン。この3つを持ち合わせた食空間はこれまで見たことがない。そしてレストランの中はほとんどが長い曲線に囲まれ、見事な調和を産み出している。

平松氏とムッシュボキューズ
平松氏とムッシュボキューズ
ポール・ボキューズ ミュゼは41年間ミシュランの三ツ星を取り続けている偉大な料理人、ムッシュ ポール・ボキューズの料理と食文化の先を見据えることに関しては日本における第一人者とも言える平松氏とのコラボレーションだ。平松氏は自身のレストランでもボキューズ氏を招き料理フェアを開催するくらい両者の繋がりが深い。


メニュー
リヨンの伝統的なメニューが並ぶ
平松氏が経営するサンス・エ・サヴールの料理長である長谷川幸太郎氏は「第11回ボキューズ・ドール国際料理コンクール」の日本代表として出場し、歴代最高となる6位に入賞。フランスにおける日本人料理人の実力を大きくアピールすることになったことは記憶に新しい。
なお、ボキューズ氏はリヨンで5軒のブラッスリーを経営しているが、今回は初めての海外出店となる。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます