フレンチ/東京のレストラン

ジャック・ボリーさんとの90分談義(4ページ目)

日本を代表するフランス料理店ロオジエのシェフを永らく勤め、昨年第一線を退いたジャック・ボリーさん。歩いてきた道程とこれからのことを伺いました。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

並木通り
ジョークを織り交ぜた日本語も上手だ

食の啓蒙活動を

その後たわいもないグルメ雑談が続いたが、現場を離れて余裕が出たボリーさんはこれから何処に行くのだろうか。今のボリーさんの肩書きは、
「株式会社資生堂 レストラン エグゼクティブ プロジェクトディレクター」とある。
ボリーさんの仕事はまだまだ続くことは事実。具体的には出なかったが、食と料理についての啓蒙活動のような気がする。それはレストランを文化と捉え、継承・発展させるという資生堂の理念を自然な形でボリーさんが引き継ぐのであろうか。

インターネットのおかげで簡単にレストランの情報は手に入ることができるようになった。あの店は美味しい、あそこは今ひとつ、といった断片的な情報が飛び交う。しかし、いかにレストランとその時間を楽しむか、という情報は意外に少ないことに気付く。インタビューが終わって時間が経てば経つほど私はもっともっと聞きたいことが出てきた。

私はボリーさんのような影響力の強い方に、「食べるということがいかに大切なことであるか」ということを、この飽食の時代を彷徨う私たちに様々な角度から話していただきたいと思う。それは料理のレシピや、料理人への教育といったことではなく、私たち食べる側に向けられたものであって欲しい。

話をしている途中ボリーさんの携帯が鳴った。失礼、と断って何故か不器用そうに、そして嬉しそうに電話に出るボリーさん。あとで聞くと昨日初めて携帯電話を持たされたとのこと。それはそれでとても嬉しそうな表情が忘れられないシーンとして目に焼きついている。

株式会社資生堂のホームページ
ロオジエのホームページ
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます