シャンパーニュ
懐かしささえ感じる秋刀魚の味わい

消えては浮かび、浮かんでは消えていく味わい

今回ご紹介するオープンしたオープティコントワーは1999年に開店。シェフとマダムの2人で切り盛りするアットホームなレストラン。4人で予約したところ、お任せメニューを薦められる。4人とは言え料理人が一人の状態でバラバラにオーダーされても同時にサービスするとなるとそれはかなりのリスクを伴う。こういう場合は同じものを頼んで美味しさを共有できた方が楽しめる場合が多い。こうすることにより食べることがぐぐっと楽しくなることを意外に気がつかないものなのである。

ワインリストはシャンパーニュから始まる。ゴッセやルイ・ロデレール、アンリオからボランジェ、そしてアラン・ロベールのメニルトラディション86までこの小さなレストランにしては、と言ってはたいへん失礼だが見事なラインアップだ。他のワインもほどほどに充実。

話はまたまた脱線するが、このシャンパーニュと言うお酒、売るほうは実にたいへんなワインな訳で、まず保存が利きづらいからグラスで売りづらい商品なのである。炭酸が抜けるともう終わりだからだ(それでも美味しいのだが商品価値はなくなる)。赤ワインだとコルクしておくと翌日の方が香立ち、味わいが深く感じるものによく出会ったりするが、シャンパーニュはそうはいかない。あとは少人数の場合、ボトルでシャンパーニュをオーダーするケースはまだそう多くはないことも挙げられる。

魚
ソースの魅力を再発見する一皿か
さて、料理はどの皿も実に心地良いもの。料理人の気持ちがこもっているんだなあ。前菜の秋刀魚と里芋のテリーヌは日ごろ馴染んでいる食材を丁寧に仕込み、そしてそこに日常では感じることのない旨みを忍ばせている。日常の中の非日常。これを感じさせるのが料理人の技術だ。予約の電話を受けたときから「どういったメニューでいこうか」と考え、じっくり仕込んできた様子が手に取るようにわかる気がする。


白身の魚のソースは白ワインの香りや味わいがほんのりと舌に残り、シャンパーニュの味わいと共に消えては浮かび、浮かんでは消えていく。そしてそこにはシャンパーニュやシャルドネといったワインがどうしても必要だ。ワインによって味わいが漣のように幾重にも拡がっていく。

写真のタイトル
これは見事にツボにはまった私好みの味わい
肉料理の味わいも特筆もの。軽めのソースながら余韻は長く、ブルゴーニュワインと共に幸せな時間がさらに助長される。

席数は10席ほど。満席になると料理が出てくるのは遅くなる。そういえばミラヴィルもそうだった。でも誰も文句は言わないだろう。そういう時は、ワインを飲みながらパンをつまみにおしゃべりしながらじっと待つ。そうしてちょっとだけ早歩きの青山という街で、ゆっくり寛げるレストランとの向き合う時間を少しでも長く共有したい。

決してハレの日向けのレストランではないが、クリスマスの時期に小さくてもピリッとしたレストランに大好きな人を連れて行くのもいいかも知れない。話題店や夜景の綺麗なレストランにはない魅力が充満しているものなのである。


デザート
栗を使った季節感が楽しめるデザート
オープティコントワー
東京都港区北青山3-14-4 イズミビルB1
地下鉄表参道駅B2出口 徒歩3分 
地図
L 12:00~15:00(L.O.13:30) 3500円と5500円(税サ込)
D 18:00~23:00(L.O.21:30) 6000円と7600円(税サ込)
日曜ランチ 12:00~16:00(L.O.14:30)
月曜休
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