フレンチ/東京のレストラン

【閉店】ル・シャルボン(神谷町)(2ページ目)

東京タワーの麓、神谷町に炭焼きフレンチをじっくり楽しませてくれるレストランが誕生した。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

炭焼き料理の醍醐味を

写真のタイトル
フォアグラの質感も申し分なし。
ワインリストもフランス以外の産地も多く揃えており、価格帯が4000円~5000円が多いのが目に付く。こだわりなく選んでいるようだが、なんとなく選びづらく感じたのは何故だろうか。ワイン選びは国、産地、品種、白か赤か、値段といった多くの要素を考慮して選ぶものであるとするならば、少し工夫が必要かも知れない。とは言っても根付けはとても良心的である。

遅い時間から混みだすのか、私が食事に出掛けた日は20時過ぎてから外国人を交えたグループが数組テーブルを囲み、気がつくと8割がたの席が埋まっている。人が入ると単に清潔感と品の良さを漂わせる空間が一気に活気付き、空気もゆるやかに香り立ってくる。

アミューズから前菜2品、魚料理、肉料理と続くコースは8000円。特にクリエーティブとか驚きとか、そういったサプライズ感を感じる料理ではないのだが、どの皿も基本に忠実で安心できるもの。

魚料理
こんがりと焼きあがる魚のグリエも味わい十分
特にフォアグラのリゾット添えはよくある定番だが、非常に丁寧に仕込まれており、気がつくとあっという間に食べ終わっているほど。これはお代わりしたくなる一皿。網焼きのステーキも申し分なし。熱いうちにナイフをいれワインと共にマリアージュがしっかり楽しめる。網焼の肉にはカリフォルニアやオーストラリアの濃いカベルネ種よりもブルゴーニュのごく普通の村名ワインが似合うような気がする。

デザートはやや個性に欠けるか。ここは今後工夫が必要かも知れない。アミューズで驚かすより最後を締める方が後味よくゲストを満足させることができるのだから。

網焼き
網焼きステーキにワインもはずむ
開店したてのレストランは評判が落ち着かなかったり、サービスにムラがあったりとなにかと安定していないものだが、ここは違うようだ。しかし敢えて言わせていただくとするなら、ランスYANAGIDATEの3号店という触れ込みを外し、ゆっくりと焦らず「ル シャルボン」の名前を広めて欲しい気がする。これからシェフの個性を前面に出して、本家本元の柳舘シェフを超えるくらいの意気込みを出すべきだろう。この秋から冬にかけてどれだけ評判を高められるか楽しみなレストランだ。

末筆だが、食事をした日は取引先(男性2名)と3人で食事会。お二人は、フレンチはほとんど始めてという方だったのだがワインはもちろんのこと、どの料理にも非常に満足しており至福と驚きの経験であったという。フレンチファンが二人増えたこともとても嬉しく思った夜だった。

東京都港区麻布台1-7-2サンケイビル1F
東京メトロ日比谷線神谷町駅2番出口より麻布台方面へ徒歩3分
TEL03(3560)1764
ランチ1200円~、ディナー4200円~
ワイン G800円~、B2900円~、持ち込み料1本2500円
サービス料 10%
席数 66(うちテラス席24)
個室 あり
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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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