夜景の綺麗なレストランに旨い店はない?
オールアバウトのガイドになって2年半の間、フレンチの楽しさを広めることを目的に微力ながらガイド記事をコツコツと書いてきた。そんな中で100本近い記事の履歴を改めて見てみるといくつか傾向があることがわかった。人気スポットの「高層階」にあるレストランがほとんど取り上げられていない!のだ。赤を基調としたエクステリア |
もう一つ理由がある。夜景の綺麗なレストランに旨い店はない、という甚だ根拠があるのかないのかよくわからない妄想に捉われている。美しい女性と綺麗な眺めのせいで料理に対する集中力が薄れるのでは?と思うのだが、綺麗な眺望にも当然ながら高価な建築コストと家賃がキチンと反映されており、その分の料金がしっかりしっかり含まれている。ひねくれものの私はそんなことも考えてしまい、どうもフレンチやワインを楽しむことに集中できない。
モダンな店内の雰囲気 |
五感の庭
サンス・エ・サヴールは高級レストランチェーン展開会社である「ひらまつ」がフランスの3つ星レストラン(98年のミシュランガイド)とコラボレートしたレストラン。ジャック&ローラン・プルセル兄弟が切り盛りするル・ジャルダン・デ・サンスは南仏の街、モンペリエで名声を誇る。店名を訳すと「五感の庭」。緑溢れた環境の中で、五感をフルに働かせて、このレストランでの食事や滞在を楽しんでいただきたい、という意味がプルセル兄弟によって込められている。
さて、意を決してレストランに到着すると案内された席はお台場方面が一望できるところ。
真夏の午後7時はまだまだ明るく、近隣のオフィスビルと遠くに見える東京湾の眺めが、手が届くかのように、すぐそこにある。ただし雑多な高層建築に美しさを感じるかどうかは別にして。
夜景よりも蒼い色の変化に気持ちが踊る |
何故か高所恐怖症のことも忘れ、すっかりと食事と向き合う姿勢になっていたことには自分でも驚いた。
さあそろそろ行こうか、サンスの食卓へ。