
さすが柴田氏、次に日本語で書いてあるリーズナブルなワインが並ぶリストを手渡した。最初のリストはまあ、ひっかけみたいなもので、次のリストなら何とか選べそうだ。K君はいくつかのワインを選び出し、柴田氏に何やら尋ねている。何回かのやり取りの後に柴田氏のアドバイスの中から選んだのが、ダンジュビユのブルゴーニュ。

その前菜だが、人参のムースにウニとコンソメジュレ仕立ては、この季節にぴったりの爽やかさを軽く感じさせる口当たり。むにゅっとくるムースの食感とプルルンとくるコンソメジュレのマッチングを彼らはどう感じたか。

お客の立場に立った助言、話題のさり気ない盛り上げ方などなど、トップレベルのサービスであると彼らが感じたのは、実は食事をしている時ではなく、自宅に帰ってそのレストランを思い出したときに違いない。

しばらくして、K君からほのぼのとしたメッセージが届いた。
ワインはたまに飲むという感じでしょうか。大体週に2度ほど、1000円前後のコンビニで買ったワインをジンジャーエール割りで、これまたコンビニで買った100円前後のおつまみを片手に気の許せる友人と飲む、というそんな感じです。
そんな生活をしている私は、ワインリストを目にした時、思わず冷や汗が出ました。予想はしていましたが、まさかこれまでとは。。。下は5000円から、上はウン十万もするものまでズラッと並び、さらにメニューはフランス語。。。
もし、これが勝負!というときであれば、と考えると、あぁ。幸い汗が手に出るほうではないので、ワインリストを汚さずにはすみましたが。嶋さんのアシストもあり、結局、赤のブルゴーニュを選ぶことが出来ました。その頃にはすっかり汗も引き、ソムリエに、99年と00年ものはどう違うのですか?などの質問も飛び出てしまうほどで、無事?に選ぶことが出来ました。最後に、あのワインおいしかったよ、という一言がどれだけうれしかったかは内緒にしておきます。