フレンチ/東京のレストラン

小さな魔法の箱のようなレストランを見つけたぞ! ミラヴィル(渋谷松見坂)

ちょっと場所はわかりずらいが、渋谷からタクシーで乗りつける価値は十分にあるレストラン。きっと帰る頃には十分な満足感に包まれていることでしょう。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

渋谷区「松見坂上」バス停近くその小さなレストラン「ミラヴィル」は、気温36度の猛暑の中、日曜日のお昼過ぎの時間、満席でとても活気がある空間だった。最寄駅からは遠い、交通の便が決していいとは言えない場所であるにも関わらず、である。

わずかな玄関スペースから中はすぐ客席である。20席ほどの店内はベンチシート主体で厨房からダイニングが見えるようになっており、狭い空間の見せ方にそれなりに工夫が感じられる。
と書いたが、初台の名店「キノシタ」を髣髴とさせる狭さではある。ただし個室っぽさがあり、居心地は悪くはない。
その日は入り口に一番近い席に座ったにも関わらず、何か期待させるものを感じる。


そう、小さくて狭いけど「ちゃんとしている」のである。メニューの見せ方には顧客の側に立った工夫が感じられ、ワインリストも現在流通しているワインを中心に極力値段も抑えられたラインナップになっている。シャンパーニュの種類も豊富で、ジャック・セロスのブラン・ド・ブランでデザートまで辿り着きたいという誘惑にも刈られる。選んだソムリエのこだわりが感じられる銘柄が並ぶ。

とにかく白ワインで喉を潤した後、ランチのメニューを見ると、メインが魚または肉の2400円のコースと魚と肉両方付く3700円のコースがある。プリフィクススタイルでその選択肢の幅は広く、料理の説明書きも産地が明記されており、とてもわかりやすいものだ。

特に野菜は生産者の名前も記されており、完全無農薬有機野菜となっている。確かにほとんどのさらに多めに野菜が盛られており、どれも野菜の持ち味がはっきりと出た味わいになっている。野菜だけの前菜もある。「松木さんが富士山麓で丹精こめて育てた完全無農薬の温野菜サラダ」はきっと自信作に違いない。

さあ、その料理とはどんなものか?
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