光速の手妻。セカンド・ディール、ボトム・ディール
メカニック・グリップ自体は技法ではありません。デックの持ち方の名称です。ただこの持ち方をすることでフォールス・ディール(fales deal デックの一番上のカードを配ると見せかけて好きな場所からカードを引き抜くテクニック)というイカサマを可能にするのです。このフォールス・ディールにはセカンド・ディール(second deal デックの上から2番目のカードを引き抜くテクニック)やボトム・ディール(bottom deaI デックの一番下からカードを引き抜くテクニック)といったものがあります。
残念ながら企業秘密のため・・・
が、残念ながらここでこれ以上の技法の解説はできません。カードテクニックは双子の兄弟。不正として使えばイカサマになりますが、エンターテイメントとして使えばマジックになります。つまりこのフォールス・ディールはイカサマ師の秘密兵器ではありますが、同時にマジシャンたちの企業秘密です。専業的マジシャンでもない双六屋が、その技法を詳細に解説するのはこのサイトの目的ではないからです。
ただヒントだけ述べておくと、左手の人差し指のポジションがキーとなって、任意のカードを引き抜きやすい環境を作ります。
またこれらの技法は膨大なカードコントロールテクニックのほんの一端でしかありません。カードを配る時以外でも、カードをシャッフルするときや、カードを秘密裡に隠し持ったりと、イカサマ師たちの細かい技法まで数えれば、それこそ何百という技が存在します。こうした技法を駆使して、イカサマ師は好きなときに、強いカードを手札に配ることができるのです。
ただしメカニック・グリップやフォールス・ディールなどは、ベーシックなカードテクニックであり、専門書籍やDVDといったマジックの教材を購入すれば、その技法の秘密を誰でも知ることができます。
イカサマは使わなくても知っておく必要はある
ゲームでイカサマを使う必要はまったくありません。しかし、あなたが競技志向のプレイヤーで、その道のトッププレイヤーになりたいのであれば、イカサマに騙されないための知識は身につけておく必要があります。見知らぬ対戦相手とテーブルを交えるとき、ディーラーの手元を(少なくともメカニック・グリップしていないかどうか)チェックすべきであることは言うまでもないでしょう。
以前、『人生を勝利に導くゲームの名言3』で紹介しましたが、イカサマ師・ダービーの言葉が、かえすがえすもイカサマの本質を突いているからです。
「ばれなければイカサマとはいわないのだよ」
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