「岡目八目」とは囲碁からの言葉です。陣取りゲームである囲碁では、陣地の単位を「目」で表します。また岡目とは傍目の意味。つまり対局で熱中している当人同士より、横で観戦している第三者のほうが冷静な判断をくだせるため八目ほど有利に打てるという意味です。

だからといって観戦者が他人の手合いに口を出すなどということはタブー中のタブー。そんな禁忌を犯したらとんでもない目に遭うかもしれません。例えばあなたの首が切り落とされても文句はいえないのです! なにも根拠なく極端なことをいっている訳ではありません。碁盤、あるいは将棋盤を裏返していただければその理由があるのです。

足つきの盤を持っている方は少ないと思いますが、もし目にする機会があったら盤底を是非ご覧下さい。中央に彫り込みがあるのがわかると思います。

この部分を「へそ」といいます。その効用は木の加工時において乾燥による歪みや割れを防ぎ、完成時には盤に駒や石を打ちこんだときに音が響きやすくなるためといわれています。

しかしこの場所にはもう一つの名前があります。それは「血溜り」……



この恐ろしげな名前の由来は、その昔、対局に口を出した第三者の首を切り落とし、引っくり返した盤を台にして首をそこにさらしたからといわれます。

さらには台についている四つ足の装飾。これは梔子(くちなし)の花をかたどっています。梔子は「口無し」と同じ音。「死人に口無し」といっては出来すぎていますが、血溜りと梔子ではあまりにも意味深な符牒です。

実際に口をはさんだ観戦者の首を落したという記録はガイドが調べた範囲ではありませんでしたが、最近『奥義秘伝 囲碁3000年』(NHK出版)という本を読んでいたらあの有名な『史記』には囲碁殺人事件の記述がでてくるそうです。

時は紀元前681年(囲碁に関する世界最古の記録) 宋の国主の?公(びんこう)と家臣の南宮万が囲碁の対戦中のこと。

戦局が思わしくなく、追い詰められた?公はつい厭味で口撃したところ、その一言にぶち切れた南宮万が碁盤で主君の頭を叩き割って殺してしまったとあります。

対戦者同士でさえこの体たらく。ましてや観戦者が口を出そうものなら…… なんせよ対局において傍から助言は最大の御法度。「沈黙は金」であることは古今問わず不変です。

【関連・参考サイト】
死を呼び込む不吉なゲーム(ガイド記事)
思わず絶叫のオバケゲーム(ガイド記事)
ゾンビ包囲網から脱出せよ!(ガイド記事)


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