花と太陽と雨と
-終わらない楽園-

(2008年3月6日発売)

「記憶」に残っているゲームは何ですか? と訊かれて、あなたはどんなゲームを思い浮かべるでしょう。そのゲームの「何」が、あなたの脳裏に焼きついているのでしょう。ストーリー、台詞、音楽、雰囲気、それともエンディングでしょうか? 今回ご紹介するニンテンドーDS用ソフト『花と太陽と雨と -終わらない楽園-』は、あなたの記憶に残ること間違いなしの、他に類を見ない摩訶不思議なゲームです。

本作の生みの親は、『ノーモア★ヒーローズ』などのバイオレンス・アクションで世界的に高い評価を得ている「須田剛一」氏。アクションのみならずストーリーや台詞回しに至るまで「独特すぎる」センスを感じさせるゲーム作家で、かつてPS2向けに発表したアドベンチャーゲーム『花と太陽と雨と』も、多くのユーザーに鮮烈な印象を与えました。そして今月、新たな謎や便利な機能が追加されてニンテンドーDS版が発売になったのです。


本作の主人公は、依頼があれば何でも探し当ててみせるという“探し屋”の男「スミオ」。南海の孤島「ロスパス」のホテルの支配人から、テロリストが島に隠した爆弾を探してほしいという依頼を受け、摩訶不思議な雰囲気がただよう島へと足を踏み入れるところから、ストーリーは始まります。島を探索し、人々に聞き込みをして、謎を解いていくうちに、ストーリーはより大きな謎の解明へと向かいます。はたして、名前の由来にもなっているLost Past(過去を失った)というこの島に隠された秘密とは……!?

本作は、ゲームの流れをただ文字で説明するだけでは、「よくあるアドベンチャーゲーム」のように思われてしまうかもしれません。しかも、聞き込みのためにあちこち走り回ることになりますし、グラフィックはお世辞にも緻密とはいえませんし、ストーリーはエンディングまで分岐することのない一本道。ぶっちゃけ、一歩間違えば「作業的で面倒なだけのゲーム」という評価をされていたかもしれません。

……しかし、一歩間違えることはありませんでした。

どういうわけか、このゲームには、他に類を見ない「心地よさ」があるのです。ユーモアにあふれる台詞、どこか懐かしいクラシカルな音楽、南国のバカンスのような雰囲気……本作のあらゆる要素が、プレイヤーを「摩訶不思議」な、あるいは「愉快」な、あるいは「エキセントリック」な気分にさせてくれます。そして、そんな気分のどれもが「心地よい」のです。ユーモアを通り越してクレイジーにも思える台詞回しや、粗いグラフィックでシュールに描かれる人物を目にすると、ゲームを始めたばかりのころは面食らってしまうかもしれません。しかし、この世界にひとたび入り込んでみると、それこそが本作の個性であり魅力であることに気づくでしょう。

「心地よいアドベンチャーゲーム」とはどういうものか、興味を持たれましたら、ぜひ『花と太陽と雨と -終わらない楽園-』を体験してみてください。こんな「他に類を見ない」ゲームは、なかなかお目にかかれませんよ!


ホテル支配人からの依頼で、ロスパス島へとやって来た主人公。クセ者ぞろいの登場人物たちが、重厚なストーリーをくり広げます。

島は完全3Dで描かれ、移動時は下画面にマップが表示される。タッチペンによる快適移動と、タッチパネルへのメモ機能を駆使して、島の人々に聞き込みをしていこう。

主人公の相棒は、暗号解読機の「キャサリン」。物だろうが人だろうが、謎解きの鍵となるモノに“ジャック・イン”して暗号を解いていく、という謎解きも本作の特色。島の観光ガイドブックなど、意外なものが謎解きのヒントになることも……!?

PS2版で印象的だった、主人公の語りとともに流れる実写オープニングムービーも再現されている。

【関連ページ】
『花と太陽と雨と -終わらない楽園-』公式サイト

(C) 2001,2008 Marvelous Entertainment Inc./grasshopper manufacture inc.

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