───萩島さんがニンテンドーDSと初めて出逢ったのは、いつでしたか?
萩島: じつは、ニンテンドーDSを発表するだいぶ前に、大きな基盤にタッチパネルがくっついているだけの試作機の段階で初めて見たんです。タッチパネルというと、駅の自動券売機に使われているようなものを想像するじゃないですか。正直、あのタッチパネルがゲーム機としての使用に耐えられるのかどうか、少し心配でした(笑)。
───実際に触ってみて、いかがでしたか?
萩島: その試作機は、タッチパネルに表示されたボールを指で弾くだけのデモプレイのようなものだったのですが、あたかも本物のボールに触っているような感覚で自由自在に動かせたんです。これはもう、かなりスゴいことが出来そうだな、と確信しました。ほんとにもう、いちユーザーの立場でニンテンドーDSに出逢いたかったくらいです(笑)。
───去年のE3では、ニンテンドーDSの実機が初めてお披露目されましたね。
萩島: E3の開催前に、ナムコさんが開発された『パックピクス(仮称)』の映像を見たときは、我々もものすごい衝撃を受けました。
───タッチパネルに自分で描いたパックマンが、そのまま動き出しちゃいますからね(笑)。
萩島: ニンテンドーDSを開発した岡田も言っていましたが、ハード開発者の想像を超えたものが出てくると、ものすごく嬉しいんです。本当に手前味噌になりますが、こういう“新しい遊び”を生むための土台が、ニンテンドーDSにはあるんでしょうね(笑)。
───『きみのためなら死ねる』(セガ)も、発売前から大きな話題になっていましたね。
萩島: そのテイストやグラフィック、ゲーム性や音楽などが、これまでのゲームとは明らかに違うものでしたよね。ニンテンドーDSを幅広い層にアピールするうえで、大きな力になってくれました。セガさん、ありがとう!(笑)
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───よく、「ニンテンドーDSとPSPのどちらかを買おうか迷っている」という相談を受けますが、多機能さよりも純粋にゲームを求めている人には、僕はニンテンドーDSをオススメしています。
萩島: ありがとうございます(笑)。ただ、任天堂は決してニンテンドーDSで“多機能”を否定しているわけではないんです。
───ポータブルSDカードAVプレーヤー「プレイやん(仮称)」(注1)を今年の2月に発売する予定もありますね。
萩島: 任天堂は、ゲーム機を多機能にすることによって値段が上がったり、複雑になって快適に操作することができなくなってしまってはダメだと考えているんです。いちばん最初の「ゲームボーイ」(1989年発売)の画面がモノクロだったのも、同じ理由です。他社からはカラー画面の携帯ゲーム機が発売されていましたが、その当時の技術では画面をカラーにすると電池が長持ちしないので、快適に遊ぶことが出来なくなってしまうと我々は考えたんです。
───タッチパネルを採用したニンテンドーDSは、ゲームに不慣れな人でも快適に遊べそうですよね。
萩島: 年齢も、性別も、これまでのゲーム経験も、一切問いません。ニンテンドーDSは、前提知識を必要とせずに、誰もが同じスタートラインに立って楽しめる“遊び”そのものなんです。そもそも、特定のターゲットを狙うような発想の商品ではありませんが、敢えて言うなら、面白いこと、新しいことが好きな人すべてがターゲットです!
(注1)「プレイやん(仮称)」=ゲームボーイアドバンスSPやニンテンドーDSで音楽や映像を再生できる周辺機器。今年2月より任天堂ホームページ上で発売予定。 |
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・「ニンテンドーDS」公式サイト |
<目次> |
◆ニンテンドーDSに込めた、強き決意 手応えアリ! ニンテンドーDSのスタートダッシュは絶好調! |
◆任天堂の使命と、その“ライバル” 「独創」──これまでも、これからも変わらない任天堂の課題 |
◆ニンテンドーDSとの出逢いは、衝撃だった。 ニンテンドーDSはゲーム機の枠を超えた、まさに“遊び”そのもの! |
◆ゲームで培う、子供とオトナの良き関係 ゲームは子供の教育にもイイ!? 萩島さんも家庭では2児のお父さん |
◆ニンテンドーDSを語りませんか! アナタの投稿がAll Aboutの“記事”になる! ニンテンドーDSを即進呈!! |