ミスをしても、面白い。
お互いがぶつかり合って思わぬハプニングが起こることも。でも、それがまた楽しいんです。(イラスト 橋本モチチ) |
やり直しというのは、あんまり面白いものではありません。でも、やり直したくないから頑張ってミスしないようにするんですし、クリアした時に嬉しいんですから、それはしょうがないんです。やり直しがつまらないからといってゲームを簡単にしたら、今度は達成感の方が減ってしまいます。
NewマリオWiiでも、1人でプレイする限りはその部分は同じです。ミスをしたら、やり直しでつまらない。うまくいったときは嬉しい。でも、みんなでやるとそうじゃなくなるんですね。
例えば、マリオが穴を飛び越えようと思ってジャンプします。上からキノピオを操るプレイヤーが飛び降りてきてマリオの頭を踏んづけて華麗にジャンプ、マリオは穴の底へまっさかさま。こんなことが起こると、思わず笑いが起こります。なにすんだ! なんて怒りながらも、やっぱりおかしい、面白い。それで、数秒もするとマリオがシャボン玉の中に入ってあらわれますから、ごめんごめん、なんていいながらシャボン玉を割るんです。
DS版のNewマリオとNewマリオWiiでは、ここのところが決定的に違います。Newマリオはよくできたアクションゲームです。NewマリオWiiはよくできたアクションゲーム以上の面白さがあります。みんなで助け合ったり、いじわるしあったりしながら、うまくやっても面白い、失敗しても面白い。クリアした瞬間だけが嬉しいゲームではなくて、ゲームをしている間中がずっと楽しさに満ちているゲームになるんです。
この、うまくいっても失敗してもみんなで楽しめる横スクロールアクションは、クリアできる人は楽しいし、クリアできない人はつまらないという、ゲームが持つ弱点を克服し、より多くの人をゲームの世界へ連れてくる招待者になるかもしれません。
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