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中小メーカーにDS参入の実情を聞いてみた(3ページ目)

開発費が安く、中小メーカーも参入しやすいといわれるニンテンドーDS。しかし、開発費が安ければ本当に参入しやすいと言えるのでしょうか。DSに参入したばかりの河本産業さんにお話を伺いました。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド


中小の流通を大手が助ける仕組み

ゲームショップの図
ゲーム業界に限らず、商品は作っただけでは売れません。どうやってお店の棚に並べるかも、重要なファクターです
ガイド:開発が順調に進めば、今度は販路の確保ということになると思うんですが、中小メーカーが販路を確保することに苦労する、というようなことはあるんでしょうか?

川井:小さいメーカーが独自で末端までの流通を持つというのは、確かに難しい部分もあります。ですが、今は自社流通の仕組みを持つ大手メーカーさんが、他社のソフトも積極的に扱おうという流れがあるんです。ですから、そういったところにいくつか声をかけさせていただいて、今回はセガさんにお願いすることができました。

ガイド:中小メーカーに手の届かないところを、大手がカバーするようなビジネスの仕組みがあるんですね。

戸川:そうですね、全国的な流通網を自分で開拓していく、というようなことをしなくても、販路を確保することはできるのでとても助かります。ただ、店頭体験会みたいなことは、基本的には自分達でやらなければいけないので。お店に声をかけて、やっていく、というようなことはあります。

お金をかけずに宣伝をしなくてはならない

ニンテンドーチャンネルの図
みんなのニンテンドーチャンネルは、Wiiショッピングチャンネルから、無料でダウンロードすることができ、WiiやDSの新作ソフト紹介映像などが楽しめます。
ガイド:プロモーション的な部分はどうだったのでしょうか。

川井:正直、予算が厳しかったです(笑)

井口:広告の業界で言うと、ゲーム専門誌の広告だとか、そういったところのWebサイトのバナー広告なんかを、例えば2ヶ月連続で出したいなんて考えると、1,000万オーバーの金額があっと言う間に必要になりますんで、そういう場所に物量を投入することができないというのは実情としてあります。ただ、必ずしもお金をかけなければ何もできないかと言えばそうでもないので、公式サイトを作って無料体験版を設置する、というようなことを地道にやっています。

川井:心強かったのは、体験版をやって気に入った方々が協力してくれたりもしたことでしょうか。体験版を中心にしたネットでの展開がメインでしたね。

井口:あとは、みんなのニンテンドーチャンネルですかね。

ガイド:Wiiをオンラインに接続することで見れるゲーム紹介動画ですね。あれは載っているゲームとそうでないゲームがありますが、どういう形で選ばれているんでしょう?

井口:基本的に、メーカーがちゃんと対応すれば載せてくれるはずですよ。ただ、映像素材なんかをそれ用に加工したりする必要はあるので手間はかかりますが。

川井:僕らも少ない予算と人数でやってますんで、そういったことを社内でも部署を越えて協力しながら、みんなでコツコツやっているといった感じです。


大手に協力してもらった流通。お金をかけずに、できるなかで地道にやったプロモーション。やりようというのはあるものですね。では、肝心の売上げはどうだったのでしょうか?
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