世界で通用し、なおかつ独占のソフトが欲しい

PS3とXbox360とライトニングの図
日本では引き続き重要なFF13ですが、海外では両ハードで発売される為、PS3とXbox360の対決に対する影響力があまりありません。
世界市場を眺めると、日本のメーカーの動きも理解しやすくなります。これから大きな規模のゲームを作るときに、日本の市場だけを見ていたのでは厳しいということは簡単に想像がつくはずです。特に開発費がたくさんかかるPS3やXbox360のゲームでそれは顕著でしょう。

そういう目で見たとき、PS3は売上げの単純な数字以上に大変な危機に見舞われていることが分かります。サードパーティーが北米を意識すれば、PS3に独占供給をする理由は極めて小さくなります。海外でも勝負でき、なおかつPS3独占を守ったMGS4は世界全体で見た場合、日本における役割よりも、遥かに重要な戦略的タイトルだったはずです。そしてこういったタイトルは今後どんどん難しくなってくることが予想されます。

また、2008年7月に行われたThe 2008 E3 Media & Business Summitで、FF13が海外でPS3の独占を取りやめ、Xbox360とのマルチ発売になったと発表されたことがいかに痛恨事であったことかも分かります。それまでFF13はPS3が持つ日本産の大型タイトルであり、少なくともXbox360と差別化できるポイントの1つ、武器の1つであったはずです。しかし、マルチになってしまっては武器として成立すらしません。

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FF13は日本国内ではPS3の独占を崩しておらず、未だ最も大切なソフトかもしれません。しかし、その日本市場そのものが規模で考えた時に、Xbox360とのシェア争におけるインパクトが小さい以上、ワールドワイドでの戦略上では最重要タイトルとは言えないでしょう。

SCEワールドワイド・スタジオの重要性

リトルビッグプラネットの図
リトルビッグプラネットは、ユーザーがステージを制作できる横スクロールアクションゲーム。オブジェクトが物理演算でリアルに動くシミュレーター的な要素と、ゲームを作る楽しさが融合された意欲作です
では、PS3にとって今1番大切にするべき大事な要素はなんでしょうか。どんな状況でも絶対にPS3にしかソフトを供給しないメーカー、それはソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)自身でしかあり得ません。とりわけ重要になるのはSCEワールドワイド・スタジオの存在です。日本、北米、ヨーロッパそれぞれのスタジオを統合して、グループ全体の世界的なソフトリリース戦略、ゲーム開発マネージメントを行っています。その成果は着実に現われ、リトルビッグプラネットなど、意欲的かつ良質で、しかも世界市場で通用するタイトルがSCEから発売されています。

今、破竹の勢いである任天堂がニンテンドーDSやWiiを自社ソフトで牽引したように、どのハードにとっても確実に他のハードと差別化でき、最も信頼のおけるソフトは、プラットフォームホルダーが出すタイトルです。最後の最後に信じられるのは自分自身の力だけ、ですよね。

SCEの現社長平井一夫氏は、元はSCEアメリカの社長で、SCEの海外開発体制を整えてきた人物です。その手腕を発揮し、自社タイトルを大切に育てていくことこそが、今後の鍵を握るのではないでしょうか。


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