任天堂はIT企業?
Miiコンテストチャンネルでは、毎日オススメのMiiがずらっと並びます。たくさんのユーザーが作った中から選ばれるMiiは、流石のデキです |
例えば、WiiにはMiiコンテストチャンネルというサービスがあります。Miiという、Wiiで作ることのできるアバターをお題目に沿ってコンテストで競わせたり、人気のあるMiiを貰ったりすることのできるサービスです。ユーザー達がアバターを作り、それをオンライン上で整理してまた他のユーザーが受け取るという仕組みは、ITサービスそのものですね。
Miiコンテストチャンネルはオンラインを使った分かりやすいITサービスですが、ここで言うITとは、単にオンラインサービスというような意味ではなく、情報を扱う技術という広い意味で定義しておきたいと思います。ユーザーに情報を入力してもらい、ユーザー間でその情報をやり取りし、情報に付加価値をつける、そういう意味で任天堂は実に幅広い商品、サービスを展開しています。任天堂が取り組んでいるIT的なコンテンツをご紹介しながら、ゲームとITとの関係について考えてみたいと思います。
プレイングが情報に付加価値をつけるポケモン
最初のポケモンは通信ケーブルを繋いで、通信をしていました。この頃はITという言葉自体そんなに一般的ではなかったかもしれません |
本来はデジタルデータなので、簡単にコピーすることができますが、ポケモンの場合はあえて、消してしまうことで、自分が育てたポケモンを唯一無二の存在にしたてあげます。これを交換するということは、単にデータのやり取りをするというだけではなくて、発見した時のこと、一生懸命育てた時のこと、ピンチを切り抜けた時のこと、そういう思い出を一緒に交換するということです。
結果、ユーザーが作り上げたポケモンのデータには非常に大きな付加価値がつくわけです。これは対戦の時にも近いことが言えます。プレイングを通して大事に育てたポケモンのデータを友達のデータと対戦という形で競いあうわけです。その背景にはゲームをプレイした体験が付随し、普通のコミュニケーションとはまた別の意味が生まれます。惜しくも倒されてしまったピカチュウは、ただのピカチュウではなく、一緒に冒険してきたピカチュウなのです。プレイを通して情報を入力、付加価値をつけ、それを通信でやり取りしてユーザー同士がコミュニケーションする、ポケモンはそういうITの仕組みをゲームの中に取り込んで成功しています。
次は、さらに独特な任天堂のIT的コンテンツをご紹介したいと思います。