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任天堂をIT企業として考えてみる(3ページ目)

任天堂はIT企業でしょうか? 普通に考えたら、玩具メーカーであってIT企業ではありません。しかし、任天堂が世の中に創出しているコンテンツには、非常にIT的なアプローチのものがたくさんあるのです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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ユーザーが情報を入力し続ける、ゲームというインターフェース

Wiiリモコンで遊ぶの図
Wiiリモコンは、動作を入力できるインターフェースとして、とても大きな可能性を秘めています。
ゲームというエンターテイメントは、基本的にユーザーが情報を入力し続けて、その結果を反映し、反映された情報に対してまたユーザーが情報を入力し続けるという構造を持っています。ですから、何の情報を入力してもらうか、そして入力された情報をどう扱い、どう伝達するかという部分を作りこんでいくと、今までに無いITの仕組みも作り出せる可能性があります。現在、ほとんどのハードが標準でオンラインに繋がり、各社オンラインサービスにも力を入れて広範囲で情報のやり取りが可能になっています。

こうなるとやはり重要なのはソフトです。冒頭に紹介したMiiコンテストチャンネル、ユーザーが工夫を凝らして作ったMiiを貰うことができるのはとても魅力的ですが、それだけでは力不足です。重要なのは、そこで作られたMiiがゲームコンテンツに反映されるという点ですね。例えばマリオカートWiiでWiFiコネクションを使ってオンライン対戦をしていると、有名人の顔をしたMiiが走っていることがあります。

ガイドも実際、凄いスピードでバイクを操る世界のナベアツさんに出会ったことがあります。あまりにソックリで感心したのですが、これは実はMiiコンテストチャンネルで配布しているんですね。ゲームによって情報がユーザーによって作られる、作られた情報がユーザーに還元されてそこでまたゲームに付加価値を与えるという好例ではないでしょうか。

ゲームには、ポケモンのように数十時間という時間をかけてデータを作ってもらうことも、nintendogsのように利便性とはかけ離れた、しかし面白い通信方法を利用してもらうことも、WiiFitのような通常では考えられない情報を入力してもらうことも、できてしまう可能性があります。これらの情報をどう料理していくのか、他のユーザーとどう共有してもらうのかといったIT的なアプローチはこの先さらに重要になっていくるのではないでしょうか。

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