PS3という商品について考える
ハード売り上げの推移的には、ゲームキューブに近い感じですね。PS2の頃とは比較できないほど減少しています |
Wiiが500万台を超えているので、Wiiの半分以下、3分の1に近い普及状況です。PS3が苦戦している理由には色々なことが挙げられます。値段が高価であることや、発売当日に数が揃わなかったことなど、複数の要素が重なって現状になっていると思われます。今回はその中で、PS3という商品そのものについて考えてみたいと思います。PS3という商品は売れる商品になっているのか、商品力があるのか、というお話です。
【関連記事】
結局PS3ってどうなってるの?(AllAboutゲーム業界ニュース)
プレゼンテーション以前にプレゼンスが足りない
ゲーム機に限らず、一言でこんなものだ、と表現しにくい商品は売るのが難しくなります。ですから、売れる商品には良いキャッチコピーがつきものなのです |
例えば、Wiiは存在感があります。Wiiってどんな商品? と聞けば、ゲームをあまりしない人でも、直感的なゲームとか、リモコンを振る奴とか、答えが返ってきます。これは、Wiiというゲームハードが業界の中だけではなく、社会の中で、リモコンを振って遊ぶ今までにないゲーム機という存在感を持っているということです。もう少しつっこめば、リモコンを振って誰でもゲームを楽しく遊べるもの、という存在感を持っていると言えるでしょう。お客さんは、そういう存在が家の中にあって欲しいかどうかで、買うか買わないかを選択するわけです。
ではPS3はどうでしょう。PS3がどういう商品かとたずねられた時、ゲームに詳しくない限りは、PS2の後継機であるということ以上のことが言える人は少ないように思います。少し詳しい人で、Wiiと比較して高性能なゲーム機である、ということぐらいでしょうか。PS3があれば今までにないこんな楽しいゲームライフが過ごせる、と説明できる人は相当ゲームに詳しい人だけでしょう。これが、存在感が無いということなんですね。
PS3は実にたくさんの機能がついています。ゲームの映像が高画質で、オンラインに繋げることができて、ブルーレイディスクが読めて……。しかし、PS3はこんなゲーム機だ! という存在感が欠落している為に、それらの価値がしっかりと伝わりません。結局何が楽しいのか分かりにくいのです。
では次に、どうしたら存在感を出すことができるのかという点について考えてみましょう。