Cellコンピューティングという壮大な夢

地球全体で繋がるPS3の図
世界中で繋がってCellコンピューティングを駆使したゲーム、なんてものがいつか登場したりするのでしょうか。 夢は膨らみます
Cellはソニー、そしてSCE、さらに東芝とIBMが共同開発したCPUであり、ソニーはCellを中心とした半導体開発に2003年度から今まで5000億円もの投資をしています。そこには、ただ高性能のCPUを作るというだけではない壮大な計画がありました。

それはCellコンピューティングといいまして、ネットワークで繋がっている複数のCellを使って、1台ではできないようなより複雑で高度な処理をこなしてしまおう、というものです。PS3は世界で始めてCellが搭載されたハードウェアですが、CellはPS3専用に開発されたものではありません。むしろそれは逆で、このCellコンピューティングの為に、Cell普及の突破口を作るべく、全世界で1億台以上の出荷数を誇るPS2の後継機であるPS3に搭載されたと言う方が正しいかもしれません。

ですから、Cellは今後、写真や映像、音楽などを自由に保存したり加工したりすることができるホームサーバー、あるいはハイビジョン対応テレビ、Blu-rayディスク(以下BD)レコーダーなど、多くの家電製品に搭載していくことを考えていると言われています。そうして、まずは家庭内で様々な家電がネットワークで繋がり、Cellコンピューティングを実現していくことをPS3の次の段階として掲げられているのです。最終的には、世界中のCellが同時に繋がって、例えば地球を丸ごとシミュレートしてしまう地球シミュレーターのようなことがスーパーコンピューターを使わなくても家庭にあるPS3でできてしまう、なんていう夢のビジョンが描かれています。ここまでくるとまるでSFのようでワクワクしてきますね。

Cellというものが、ただのCPUではなく、ソニーの映像エンターテイメント戦略から果てはコンピューターの未来までも描こうとしているということが、お分かりいただけましたでしょうか? その為にも、PS3はSCEだけではなく、ソニー全体の中で非常に重要な位置を占めているんすね。

Cellや、あるいは次世代DVD規格であるBDはまさしく最先端の技術であり、PS3の強力な武器となっています。そしてこれらの技術を使って、ただのゲーム機ではないマルチメディアホームサーバーとしての可能性を秘めたマシンに仕上がっています。しかし一方で、PS3をゲームユーザーからみれば、やはりゲーム機です。いかにCellやBDが未来のビジョンをもっていようとも、ゲームをやる人がゲームハードを買うのは面白いゲームが出た時です。そうやって普及していかなければ、壮大なビジョンも最初の段階でつまづいてしまいます。

CellやBDを生かした新しいゲームコンテンツをいかに生み出していくか、それが今後のPS3と、ひいてはCellを使ったソニーの壮大な計画を成功させる鍵になるような気がします。

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