是非聴いて欲しいこの違い
塊フォルテシモ魂 |
まずはなぜか手元にあった『塊魂』のサントラ。
44.1kHzで聴くといつもの音である。
MP3などの圧縮音源に慣れた耳ではCDの音ですでに高音質だが、これを88.2kHzにしたとたん空気が一変する。
明らかに音にハリが出て、引き締まり、音圧が加わった印象で、44.1kHzでは感じられなかった空間の広がりを確かに感じる。
あまりの効果に、嫁がお気に入りの『The CORRS』のCDを持ってきたので即座に再生した。
目を閉じて44.1kHzで再生すると、やはりこれも十分高音質だが、88.2kHzを体感した直後に聴いたせいかやや音がザラついたように感じた。
その感覚を忘れないうちに目を閉じたまま(聴覚に集中したかった)88.2kHzで聴いてみると、まるで違うオーディオシステムで違うCDを聴いているかのような衝撃が。音と音の位置というか、楽器の位置がわかる位、音の定位が明瞭になる。
88.2kHzでこれほど違うなら176.4kHzはどうなっちゃうの??? というくらいの劇的な変化が体感できる。
軽薄短小の時代
The CORRSベスト |
カセットテープからCD、VHSからDVD、ファミリーコンピュータからPSへと、高品質なものへと進化していたコンテンツだが、消費者のニーズは高品質なものへと向かったとは言いがたい。
CDはiPodなどの圧縮された(劣化した)再生機に取って代わり、映像もGyaoやYouTubeなどのストリーミングコンテンツが広く浸透した。
ゲームはPS2などの据え置き機からDS、PSP、携帯電話などへのパラダイムシフトが起こり、据え置き機ではWii以外が苦労している。そのWiiも、いわゆるハイビジョン対応のゲーム機ではない。
インターネットの普及とともに、コンテンツはより手軽で身近なものになっていった。子供や女性のユーザーが増え、重厚長大な骨のあるゲームより軽薄短小なカジュアルゲームが増えていった。
音楽・映画・ゲーム業界の裾野が広がると言う意味では大歓迎の躍進であるが、反面、腰をすえて作品と向き合うという姿勢が薄れてきているように思えてならないのである。