テニスボールの構造・選び方
今回は、テニスボール選ぶコツです。テニスボールは消耗品。ご自身にあっているボールを賢く選びたいですね。今回はそのポイントをお伝えします。
テニスボールの構造と質
ボールの基本構造はとてもシンプル。ゴムとそれを覆うフェルトと呼ばれる繊維で構成されています |
それらの性能や機能によってボールの弾み方や耐久性、打球感などが変わってきます。
プレッシャーボールとノンプレッシャーボールの違い
テニスボールはゴムの仕組みにより、プレッシャーボール(以下Pと表記)とノンプレッシャーボール(以下NPと表記)の2つに分類されます。その2つの性能を下記で整理しました。- 弾ませる仕組み
- P:ゴム内部の空気圧が高く、そのためゴムの弾性が上がり、ボールが弾む。中のゴム層を二重にするなど、空気が抜けるのを少しでも防ぐように設計しているものもある
NP:ゴム内部の空気圧は、外と同じ1気圧。ゴムの力のみで弾みます。 - 梱包形態
P:缶に入れられている。缶内部の空気圧を高くしているので、缶を開けると空気の抜ける音がする
NP:ソフトケースに入れられている。バラ売りされ、バスケットに入れられていることもある - 耐久性
P:ボール内部の気圧が落ちると弾みが悪くなる。缶を開けた後、時間経過に比例し、弾みが悪くなる
NP:ゴムが劣化しない限り弾みは悪くならない。ただし、長く使うとフェルトが減ってくる - 値段
P:種類がたくさんあり、ばらつきがある。ノンプレッシャーボールより高い
NP:一般的にはプレッシャーボールより安い - 打球感
P:ノンプレッシャーボールと比較するとよい
NP:プレッシャーボールと比較すると悪い。ただし、これは試合でプレッシャーボールが多く使われ、その感覚が標準になっているというのが理由
フェルト(覆う繊維)に要注目
フェルトの加工により、水に強いボールもある |
フェルトが少なくなると、若干ですがボールの大きさが変わります。小さくなると、空気抵抗が減ってボールはよく飛びます。ただ飛びすぎると、ボールの扱いが難しくなるので、上達の進展を妨げる可能性も……。
プレッシャボール、ノンプレッシャー、どちらでもいいという方は、フェルトの耐久性にこだわって選んでみるというのもありですね。
初心者のテニスボール選びの例
この写真では、00,NPとかかれたものがノンプレッシャーボール |
ノンプレッシャーボールもしくは、比較的値段の安いプレッシャーボールがお勧め。プレッシャーボールの場合は使い捨て感覚で。たくさんのボールを使い練習したい人は、ノンプレッシャーボールをどうぞ。
■週に1度くらい練習する人は……
選択の難しいところ。たくさんボールを使い練習したい人、また何度も使いたいという人にはノンプレッシャーボールをお勧めします。試合に出る方なら、プレッシャーボール。
■毎日のように練習したい人は……
経済性重視ならノンプレッシャーボール、打球感重視ならプレッシャーボールがお勧め。ただし、ボールを強打する方は、フェルトの耐久性のいいものを選んでください。
■試合に出るために毎日のように練習したい人は……
値段の高いプレッシャーボールがお勧め。耐久性も打球感も重視。試合時の感覚をつかんでおきましょう。
上記は目安で、どのようなボールを使うにしても、試合に出る際は試合球を一度は使用してくださいね。
跳ねない・色つき・大きいテニスボール?
キッズ用のスポンジボールや、跳ねない仕様のボールもある |
色によってコースを打ち分ける場合に色つきボールを使用する |
キッズ向けに、わざと跳ねなくしているボールもあります。身長が高くないこともあり、通常テニスボールを使用していると、打つことに困難が伴うケースがあります。そのためにわざと跳ねないようにしているのです。
■色つきのボール
どの色のボールがきたかでコースを打ち分けるための練習用。例えば、赤のボールは右に、青のボールは左にといった打ち分けの際、使用されます。
■大きなボール
サービスエースの多い淡白な試合展開を制御するため、また初心者やジュニアが少しでもラリーを長くつなげられるようにと、スピードを落とすためにボールサイズを大きく設計しているものもあります。
以上、自身のプレイタイプによってボールを使い分けてくださいね。それが上達への近道でもあるし、常道でもあります。
<取材協力>
プレイヤーズハウス村上功さん
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