メッキ仕上げから組み立てへ
ヘッド研磨の風景。目の粗さを変えながら丁寧に研磨を行う |
メッキ層から取り上げたアイアンヘッド。緑の部分はマスキング |
ヘッド仕上げは、自分の好みにカスタムオーダーで対応可能。写真は、人気のブラック仕上げ |
専用機械を使用してのグリップ装着。確認はもちろん職人さんの目によって行われる |
研磨が終了したヘッドは、通常メッキがけを行います。メッキももちろん手作業。メッキ層の中にツリー状に備え付けられたヘッドを手作業で漬けていきます。メッキ作業場は、なんとも言えない薬品の匂いが充満しています。
部分的に別のメッキをかけたり、細やかで美しい仕上げにしていくのが、本間ゴルフの得意とするところ。工芸品としてのゴルフクラブというコンセプトにおいて重要な作業です。オーダーメイドでは、自分の好きな仕上げに注文することが可能。通常商品とは異なるブラックの仕上げは、かなりの発注が来ているとか。
メッキ後は手作業による塗装。細かな作業で、ほとんど機械化の余地がありません。メッキ、塗装と作業する中で丁寧にマスキングされて、細部にもこだわった仕上げになっていきます。最後には、アイアンヘッドのネックに<MADE IN JAPAN SAKATA STUDIO>とレーザー刻印されてます。酒田工場の熟練した職人さんによって作られた証です。
ヘッドができあがると組み立てです。少し意外に思いましたが、グリップ装着やヘッド装着には、専用の機械が用意されていました。機械で装着作業を行い、それを職人さんが目視などでチェックしていきます。
あまり知られていませんが、こうした組みつけ作業も正確に行っていくのは、なかなか難しいもの。例えば、シャフトの挿入アングルが狂うと想定したロフト角、ライ角は出ませんし、ソールも計算したように機能してなくなる可能性もあります。ゴルフクラブ製作の肝と呼んでもよい大切な工程です。
シャフト製作はもちろん、ヘッド研磨やメッキ、塗装などの仕上げから、クラブの組みつけに至るまで、そこらは精密な職人技が要求される局面の連続。28年もの歴史を持つ、酒田工場だからこそ、それらの細やかな工程を行いえる熟練した職人さんが多く存在するわけです。
本間ゴルフのこうしたものづくりの伝統は、これからの職人育成にかかっていると入っても過言ではないでしょう。酒田工場でもカリキュラムを設けるなどして、後進の育成を積極的に行っているという事です。