「オーガスタナショナルGC」とは
オーガスタナショナルGCのクラブハウス。優勝者に送られるトロフィーはこのクラブハウスをかたどっている |
オーガスタナショナルGCは、ボビー・ジョーンズとゴルフコース設計家アリスター・マッケンジーとの設計によって1934年にオープン。各ホールに植物の名前がついていることにも表されるように多くの植物の色彩に恵まれています。水の「青」、バンカーの「白」とともに織りなすロケーションは、多くのゴルファーに絶賛され、世界でもっとも美しいゴルフコースのひとつとしての評価を不動のものとしています。
印象的な景観も数多くあり、マスターズの名シーンとともに絵画になるケースも多くあります。特に“ホーガン・ブリッジ”のかかる12番ホールのほか、11番“ネルソン・ブリッジ”、1935年にジーン・サラゼンがアルバトロスを達成した15番ホール“サラゼンブリッジ”などが特に有名です。このジーン・サラゼンのアルバトロスは、マスターズ史上に残る最高の名場面として知られ、70年以上経った現在も毎年語り継がれている偉業です。
ちなみにオーガスタナショナルGCは、日本の多くのコースと異なり10月半ばから4月上旬までの期間、つまり冬の間だけオープンしています。マスターズが4月に開催されるのも、こうしたオーガスタの特徴のためです。
やや余談ですが、多くの日本人選手がマスターズで思うような成果を挙げられないのは、この開催時期も理由のひとつにあげられるのではないかと思われます。1月からスタートするアメリカのツアーに対して、日本ではトーナメントがスタートするのは3~4月。招待された日本人選手は、シーズンインしていきなり試合勘を養うこともままならないままマスターズに突入します。無論理由はそれだけではないと思いますが、毎年気になるところです。
オーガスタナショナルGCは非常に格式の高いゴルフクラブで、メンバーと一緒でなければプレーできず、またメンバーになるのも至難の技。2002年当時、一人の女性メンバーもいないことを問題視した女性団体がオーガスタナショナルGCに抗議し、また不買運動などを掲げてマスターズのスポンサーなどに圧力をかけたという騒動がありましたが、オーガスタナショナルGCでは一切の要求を拒絶しクラブの独立性を守りました。