アフリカ・リミックス 展
《シリーズ・タティ(セルフ・ポートレイト 2):入植者たちにアフリカを売った酋長》サミュエル・フォッソ/1997年 タイプCプリント/101×101cm ポンピドゥ・センター、パリ国立近代美術館(C)Samuel Fosso |
多種多様な文化・民族からなる広大なアフリカ大陸より、25カ国84名のアーティストが出品。絵画、彫刻、インスタレーション、写真、ビデオ、デザイン家具など様々な作品が展示されています。
私はひと足先に展覧会を見させていただいたのですが、展示は国別ではなく、「1.アイデンティティと歴史」、「2.身体と魂」、「3.都市と大地」という3つのテーマで構成されていました。
「1.アイデンティティと歴史」のセクションで展示されているジェーン・アレクサンダー作の《アフリカの冒険》は、動物の顔立ちをしつつも2本足で立ち、衣裳をまとった姿が人間を思わせる彫刻が、土の敷かれた展示室にいくつもたたずむインスタレーション。
それぞれの動物が、潤んだ目でどこか別々の場所をじっと見つめる姿や、たくさんの農工具やトラクターのミニチュアを引きずる人間(と思われる動物)の姿が、アフリカの物悲しい過去を静かに連想させる作品でした。
《アフリカの冒険》ジェーン・アレクサンダー/1999-2002年 ミクスト・メディア インスタレーション Courtesty:artist(C)Jane Alexander(photo:Mark Lewis) |
《WIR》(3点のうちの1点)エメ・ンタキィカ/2003年 タイプCプリント/104.5cm×157.5cm Courtesty:artist |
貧困、疫病、内戦、飢餓、またそれによって正当化されたかつての植民地主義がアフリカに残した傷跡──。
これらの背景を感じさせるような重々しい作品から、過去にしばられることのないエネルギッシュな作品まで、音楽で言うリミックスのごとくに、多様な作品が効果的に入り乱れ構成されている展覧会です。
【アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術 展】
■会期 2006年5月27日(土)~8月31日(木)
■会場 森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
■開館時間 10:00~22:00(入館は21:30まで)
毎週火曜日は17:00まで(入館は16:30まで)
■入館料 一般 \1,500(当日)
高校・大学生 \1,000(当日)
子供(4歳以上~中学生) \500(当日)
■問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
■主催 森美術館/読売新聞東京本社
詳しくは森美術館ホームページにて。
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