『夏ぴあ』では教えてくれない真夏の恋愛
一昨年の夏は、彼女と温泉に行った。去年の夏は、浴衣姿の彼女と何度も花火大会に出かけた。こと恋愛において、夏ほど刺激的な季節ははない、と僕は思う。
皆さんは、どんな夏の思い出があるのだろう。海? プール? 温泉? 海外旅行? 夏祭り? キャンプ? 花火大会? 当たり前なジャンルは簡単に想像できる。しかし、個人が何に感動して、どんな恋愛体験したのかは、『夏ぴあ』にも載っていない。
だから皆さん、教えて下さい。夏、もっとも感動した恋愛スポットってどこですか?
写真は天城荘の露天風呂付き客室。「夜になると窓にカブトムシがぶつかってきてやばくな~い」(ひとみさん談) |
ひとみさんの思い出の恋愛スポットを語るには、一昨年の夏にさかのぼる。伊豆、河津温泉郷、大滝温泉、天城荘。15種類の露天風呂と14種類の内風呂があり、まさに温泉三昧。大滝を見ながらの入浴は、天城荘ならではの醍醐味だ。
特筆すべきは、露天風呂すべてが混浴ということ。露天風呂は本来裸で入るものだけど、天城荘では水着着用も可。遊歩道は他の観光客と共通なので、日中は原則として水着着用しなければならない。このように書くと、郊外の大型スパ・リゾートのようにファミリー層で芋洗い状態を想像される向きも多いと思うが、
本人いわく、
「夜は宿泊客しか来ないから、ほとんど貸し切り状態ですよ」
とのことだが、高さ30mの大滝を目前にした河原の湯はやはり人気なので、入浴終了時間の夜11時近くや夜明け頃が狙い目だという。6月の下旬に年上の彼氏とふたり。天城荘を選んだ理由は
「大好きな滝があるし、混浴だし、そんな感じですね。伊豆なら東京から近いから彼氏も往復の運転だけで疲れちゃうってこともなさそうだし」
という程度だった。
夜は星と蛍でさらに感動的
大滝前の露天風呂。写真では滝の音と雄大さが伝わりきらないのが残念! |
夕食後に、女将さんからイベントのことを告げられた。そのときの様子は今でもハッキリ覚えている。
「ちょうど七夕の季節で、七夕まつりを開催していたんです。仲居さんに提灯と短冊のセットを貰って、宿を出て七滝を目指して山の方に向かうんです。それがラブラブでキラキラで、とにかくステキだったんですよ」
夜の7時。お酒でほんのり赤くなった浴衣姿の2人は、チロチロと川がさえずる森の中を歩く。山道は穏やかな暖色のダウンライトが等間隔で照らし、まるでカップルを祝福しているかのよう。10分くらい歩いただろうか。浴衣に提灯、ライトアップされた山道だけでもステキなのに、さらに感動的な場面に遭遇した。
「ゴールの山頂に、ライトアップされた七滝があるんです。七滝の前には大きな笹の葉があって、短冊に願いゴトを書いて付けるんですよ」
6月24日から7月7日までの期間、「星と蛍のロマンティックナイト! 河津七滝七夕まつり」として宿が用意した、心憎い演出だ。
「笹の前にいる宿の人に、『七夕の日に笹の葉を川に流すので、願い事は必ず叶いますよ』って言われたんです。だから今でもその人と続いてるのかなって。何をお願いしたかって? もちろんふたりの将来についてです」
ふたりは、イベントが終わる夜の11時までずっと、肩を寄せ合い七滝を眺めていた。「帰りは川沿いを歩いて見て下さい」と、宿の人に言われた。
「行きは気づかなかったんですけど、ほんとにビックリしました。川一面が全部ホタルの光で、天の川みたいにキラキラしてて超キレイ!」
七滝の七夕は七並びのラッキースポット。ふたりが出会いから1年足らずで結婚を意識するようになったのは、真夏の恋愛体験がそうさせているのかもしれない。
【「天城荘」店舗紹介】
●ホームページ:天城荘
●TEL:0558-35-7711
●ACCESS:〒413-0501 静岡県賀茂郡河津町梨本359(Yahoo地図)