ワガママにも可能な限り対応してくれる
ホテルニューオータニ東京の広大な日本庭園。都会のド真ん中に滝があるなんて信じられる!? |
オプションの内容は、以下の通り。
1.会員制スパ「ゴールデンスパ・ニューオータニ」基本利用料無料(プール・ジム・サウナ)(1回)
2.ホテル内理容室「川島理容室」での髭剃り+シャンプー+ネイルケア
3.スーツプレス(上下1組)+ワイシャツクリーニング(1枚)+シューシャイン(靴磨き)
4.メイン・バー「バー・カプリ」にてシガー1本+2ドリンク
5.ルームサービスによる朝食
髭剃り+シャンプーはかなり捨てがたい。さんざん迷ったあげく、変更しなかった。僕はホテルや旅館の朝食が好きだ。特に和食。焼き魚に卵焼き、味噌汁、それに白いご飯、普段はほとんど朝は食べないけれど、なぜがモリモリ食べれてしまう。もちろん味噌汁は赤出汁。ご飯にかけて、猫マンマでサラサラ食べる。汚い食べ方なんだろうけど、今から楽しみだ。
案内される客室は、本館19階のタワー・スタンダード・ルーム。部屋に入り、2つあるベットの窓際の方にゴロン。自宅のベットと違い、フカフカだ。それに広い。チェックアウトを確認すると、12時だという。僕は寝付きも寝起きも悪い方なので、15時まで延長できるレイトチェックアウトを頼んだ。客室係によれば、急な要望にも可能な限り対応してくれるのだという。
ホテルの愛情を実感
僕は残念ながら10代の頃のように難解な映画を面白いという度胸も器量も持ち合わせていない。 |
6時。ホテルの快適さを実感してくる。何をしているわけではないのに、ここから動こうという気が一向に起こらない。ベットに横たわりテレビを付ける。と、ニュース番組でグルメ特集をやっている。なんだか急に腹が減ってきた。ちょうど自分では積極的に動きたくないが、誰か代わりに運んできてくれれば食べるというようなアンバイである。僕はルームサービスでホテルセレクトのグラスワイン(赤)にチーズ盛り合わせ、シーザーサラダ、ハンバーグステーキ、パンを頼んだ。しめて7,665円也。
ちょっと贅沢かなと思ったが、運ばれてきたワゴンを見て驚いた。まるで一流シェフが出張してくれたみたいに美しく、そしてウマそうな料理だ。スゲエ! 冷めてないし、ハンバーグは肉汁たっぷり。味付けはサッパリとオトナな感じだ。しかも、目の前にはホテルの広大な日本庭園、奥には新宿の夜景が広がっている。幸い、酔いつぶれてもすぐに横になれる大きなベットがあるので、終電を気にすることもなければタクシーで運ばれる心配もない。雰囲気に酔いながらゆっくりと平らげると、客室係にDVDデッキをリクエストして、夕方コンビニで手に入れた『TAKESHIS'』を見ながらウトウトし始めた。
明け方、アルコールが抜けて目が覚めた。寒い。喉がカラカラだ。僕は客室係に加湿器が欲しいと言う。すると、すぐに持ってきてくれた。なんだか、幼い頃病気したときの母親のように優しい。シャワーを浴び、このプラン限定の専用アメニティ『ARAMIS(アラミス)』で顔を洗う。オリジナルポーチに、マルチアクション フェース ウオッシュ、エイジ レスキュー、ウオーター ローション、モイスチャージェルがワンセットになったもので、効果のほどは分からないのだけれど、元来貧乏性の僕はペタペタと付けて少しリッチな気分になった。そして、衝動的に日本庭園を散歩してみたくなり、外に出たのだ。
ホテルを味方にするマナー講座
翌日、ルームサービスの朝食を片づけながら、客室係はホテルでのサービスやマナーについてこう話してくれた。「客室の老朽化や広さなどの指摘は、ハードの限界があり困ってしまいます。予約時におっしゃっていただければお客様のご期待に添えるよう最大限努力します。また、予約の仕方ひとつで、滞在中のサービスが違ってきます。眺望の希望はもちろんのこと、滞在の目的を的確に伝えていただけると助かります」
もっとも、部屋の善し悪しは実際に見てみるまで分からない。案内された部屋が気に入らなかったら、どうすればよいのだろう。
「当日の稼働状況にもよりますが、最大限の調整をさせていただきます。逆に、注文をつけるのはスマートでないと我慢されるのが一番辛いですね」
また、服装や身だしなみも重要なポイント。Tシャツに短パンなどあまりにもラフな格好は困るという。身なりでサービスに差を付けることはないが、プラスになることは決してない。
ホテルは部屋の変更程度で傲慢な客だとは思わない。不満に思いながら滞在されて、2度と来なかったり悪評を流される方が困るのだ。ルームサービスやアメニティの追加などもどんどん言って欲しいという。ホテルのサービスは無限なのだ。ただし、自由と自分勝手は紙一重だということを忘れずに。
帰り際に、こんな質問をしてみた。
「仕事中、どんな時に楽しい、嬉しいと思いますか?」
「お客様に感謝の言葉をかけられた時ですね。その際、名前で呼んでもらえるとご満足いただけたと嬉しく思います」
帰り際、ロビーでメンズエステのパンフレットを手に入れた。ああ、気持ちよさそうだ。次はエステも体験してみよう。うん。
学者先生によって書かれた本を紐解くと、日本人男性は、女性に母親を要求するという。「メシ、風呂、寝る」の関白宣言を素直に聞いてくれるホテルは、まさしく母親そのものだ。仕事をしていても、何だか満たされない。家に帰れば、彼女の愚痴を聞かされるだけで、さらにストレスが溜まる。都会で慌ただしく生活していると、ふいに日常を投げ出したくなることがある。そんなときは、ホテルに愛情を求めてみては。そこには、新しいリアリティが埋蔵しているはずである。
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