映画/映画関連情報

名作映画の中の仏教(2ページ目)

六世紀に大陸をわたって日本に伝えられ、もっとも身近な宗教である仏教。今回は、仏教をテーマにした名作映画をお届けします。

執筆者:中野 豊

汚れなき純粋さで魅せる
『クンドゥン』

クンドゥン
無抵抗主義を貫くダライ・ラマを描いた『クンドゥン』
チベットのある寒村に、僧衣をまとった男たちが訪れます。そこで2歳の幼児をみて彼こそが「慈悲の仏陀・観音菩薩」の生まれ変わりであると確信します。この日を境に、少年の波乱に満ちた運命の日々がはじまるのです。

平凡に育った少年は、チベットを治める指導者の地位を与えられ、彼は高僧のもと、宗教・学問を学びながら成長してゆきます。

記憶に新しい『ディパーテッド』のアカデミー作品・監督賞を受賞したニューヨーク派のマーティン・スコセッシが、ダライ・ラマを描いたことに驚きましたが、スコセッシは幼少のころ聖職者をめざしていたということです。キリストをみつめた『最後の誘惑』から10年後、映画史上はじめて本格的にダナイ・ラマにスポットを当てた作品と言ってもいいでしょう。

[作品情報]
・1997年/アメリカ映画
・上映時間:135min
・監督:マーティン・スコセッシ
・出演:テンジン・トゥタブ・ツァロン、ギュルメ・テトン

西洋人ハインリヒ・ハラーとダライ・ラマ14世の友情
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』

セブン・イヤーズ・イン・チベット
実在した登山家の実体験を映画化した『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
第二次世界大戦開戦前夜のドイツ。オーストリアの登山家ハインリヒ・ハラー(ブラッド・ピット)は、ヒマラヤ登山隊に加わります。しかし、英独が開戦したために英領インドに滞在していた登山隊は捕虜となって収容所に……。ハインリヒは登山仲間と共に、ヒマラヤ山脈を越える決死の脱走を図り聖地チベットへ逃げ込むのです。

そこでまだ少年のダライ・ラマ14世と出会い、西洋人ハインリヒが仏教にいかにして接してゆくのかを描きながら、お互いに刺激し合い成長してゆきます。しかし、平和な時間は長く続きません。やがてチベットに中国共産党が侵攻してきます……。

大自然のヒマラヤの景観の美しさ。映画として創り込んだチベット(実際はチベットでの撮影許可がおりず、ロケはカナダ、アルゼンチン、モンゴルで行われたのですが)の大地、澄んだ空気、厳しい冬の風景、ラサの宮殿に魅了されます。

[作品情報]
・1997年/アメリカ映画
・上映時間:126min
・監督:ジャン=ジャック・アノー
・出演:ブラッド・ピット、デヴィッド・シューリス、B・D・ウォン、マコ


【関連サイト】
仏教と寺に関する基礎知識(神社・寺めぐり)

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