ゲイにだって男?の友情はあるのよ!
『プリシラ』
70年代のディスコサウンドにノリノリの『プリシラ』 |
ショー・ガールの三人、ミッチ(ヒューゴ・ヴィービング)とフェリシア(ガイ・ピアース)そして、バーナデット(テレンス・スタンプ)は、ミッチがもちかけたアリス・スプリングへの興行へ行くことになります。フェリシアがバスを調達し、そのバスを「プリシラ」号と名付け、彼ら(彼女?)の旅が始まります。喧嘩をしながら、歌いながら砂漠の中を延々走る旅。実は結婚していたことを打ち明けるミッチ。途中の故障がきっかけで知り合ったボブと過ごすことを決めたバーナデット。キングス峡谷の岩場に女装をきめて立つことが夢のフェリシア。たくさんの出会いや差別にあいながらも、彼女たちは旅を終え、今日もシドニーの舞台に立ち続けるのでした。
セクシャルマイノリティの彼らは差別や偏見の目にさらされ、傷つくことも多いのですが、いつも明るく歌い、突拍子もない行動をし、派手な衣装に身を包み踊っている姿を見ていると力が湧いてきます。
本作で最も印象的なのは華麗な衣装です。アカデミー賞衣装賞を受賞している程です。その衣装を身にまとっているのが、なんと『コレクター』の名優テレン・スタンプで、本作で一番の驚きは実はこれでした。もう一つは音楽で、アバやビレッジピープルの70年代ディスコナンバーがどんどこ流れ、私の年代にはたまりません。
また、目先の艶やかさと同時に実に充実した心の機微を捉えていて、彼女? 達の派手さの下の哀しさ、もろい心といった人間味溢れるテーマをキチンと描きつつ、楽しいエンタテインメントに仕上がりっています。オカマの友情物語としても、秀作の誉れ高き『真夜中のパーティ』より気持ちのよい作品です。
【作品情報】
・1994年/オーストラリア映画
・上映時間:103min
・監督:ステファン・エリオット
・出演:テレンス・スタンプ、ヒューゴ・ウィーヴィング、ガイ・ピアース、ビル・ハンター、サラ・チャドウィック、マーク・ホームズ
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