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『イントゥ・ザ・ワイルド』は大傑作!

アカデミー賞2部門にノミネートされたショーン・ペン監督最新作にして最高傑作の『イントゥ・ザ・ワイルド』が9月6日公開。映画製作を考える人にはぜひ見てもらいたい作品です。

執筆者:南 樹里

『イントゥ・ザ・ワイルド』

『イントゥ・ザ・ワイルド』
『イントゥ・ザ・ワイルド』
『イントゥ・ザ・ワイルド』
『イントゥ・ザ・ワイルド』
©MMVII by RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC and PARAMOUNT VANTAGE, A Division of PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. All Rights Reserved.

『イントゥ・ザ・ワイルド』
[Into the Wild]
脚本・監督・プロデューサー:ショーン・ペン:
出演:エミール・ハーシュ、ハル・ホルブルック、キャサリン・キーナー、ウィリアム・ハート、ヴィンス・ヴォーン
2007年/アメリカ映画/2時間28分/配給:スタイルジャム
9月6日[土]からシャンテシネ、テアトルタイムズスクエア、恵比寿ガーデンシネマほかにて公開
公式サイト:http://intothewild.jp/

旅の終わりに知った【真の幸福】とは?

1992年の夏、アメリカ最北部アラスカ州の荒野でクリストファー・マッカンドレスという若者の死体が発見された。この出来事をマスコミが大々的に報じ、全米の多くの人々の関心を引いたのは、彼の死があまりにも謎めいていたからだった。

東海岸の裕福な家庭で育ち、優秀な成績で大学を卒業。そんな人生のエリートコースを約束されていた若者(エミール・ハーシュ)が、ある日突然すべてを捨てて旅立ち、2年間のさすらいの果てに、アラスカで早すぎる最期を迎えたのだ。この誰もが「なぜ?」と疑問を抱く大いなる謎の解明に挑んだのが、ジャーナリストにして登山家のジョン・クラカワー。彼が綿密な追跡取材を基に発表したノンフィクション「荒野へ」は一躍ベストセラーとなり、センセーショナルな反響を呼び起こした。

ショーン・ペン監督の最高傑作

「荒野へ」の読者の中には『ミスティック・リバー』でアカデミー賞主演男優賞に輝いたアメリカ屈指の名優ショーン・ペンもいた。並々ならぬ情熱をもち、映画化権獲得に10年近い年月を費やし、ついに入魂の一作を完成させた。1991年に『インディアン・ランナー』で監督デビューをはたしたショーン・ペン。そのあとも『クロッシング・ガード』、『プレッジ』と力量を証明してきた。そうした流れをくむ、まさしくショーン・ペンらしい作品になっている。

長尺もまったく苦にならない。しかも、傍観者として若者を見守っているつもりが、いつのまにか……。まるでハル・ホルブルックが演じたフランツ氏の気分になっている。いきいきと自然体なさまを見せるエミール・ハーシュ。いろいろな意味で、あらためて監督ペンの手腕を見せつけられた。
感想として、ここに書くには唐突だと思うが。もしも映画製作を志す人が読んでいてくれたとしたら、これこそ映画。昨今のテレビドラマなのか、映画なのか分からない、あいまいな作品より、はるかに参考になると思うので、ぜひ本作を見てもらいたいと思う。そしてクリエイターとして、自国にとどまらず、世界にはばたいてほしいもの。

[Into the Wild]

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