テクノポップ/90年代以降のテクノポップ

ゼロ年代(2)2001年~Daft Punkで明ける(2ページ目)

第2回は、Daft Punkのモンスターヒット『Discovery』で明ける2001年。エレクトロクラッシュ系の台頭、北欧の切なさいっぱいのRoyksopp、くるり、宇多田ヒカル等・・・

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

■Zoot Woman『Living In A Magazine』(2001年3月)


先生:
Living In A Magazine
さて、このあたりでエレクトロクラッシュ系を一つ。と言いましても、Zoot Womanのリーダーでもあるスチュアート・プライス君は、イギリス人なのにLes Rythmes Digitalesという似非フランス人のような名前で1996年にデビューしています。1999年のセカンドの『Darkdancer』では、あのNik Kershawをフィーチャーして「Sometimes」という曲をやっています。そして、突然、ユニットを組んで3人組の男どもなのにZoot Womanという名前で、80年代リヴァイヴァル度満点の作品をリリースしました。Zoot Woman自体は、ちょっと地味なセカンド『Zoot Woman』を2003年に出しましたが、それほど売れなかったようです。しかし、スチュアート・プライス自身はその後、マドンナなどのプロデューサーに抜擢され、またリミキサーとして素晴らしい仕事をしています。

マドンナも惚れたスチュアート・プライス

研究生:
Les Rythmes Digitalsの『Darkdanser』は名作! こちらもインパクトのわりにたいしてヒットしませんでしたが、今だからこそオススメしたい作品です。リリース当時は80年代リヴァイヴァル的要素のみがピックアップされていましたが、要はディスコやファンク要素の濃いエレポップであり、エレクトロクラッシュ。1999年時点ではエレクトロクラッシュというカテゴリーはまだ存在しなかったので、なぜかビッグビート勢に括られていましたような。そのせいで大損していたような印象があります(笑)。もっと華やかに扱われるべき才人だとも思っていましたから、マドンナに起用された時はホントに嬉しかったです。

先生:
デビュー・アルバムですが、オープニングの「It’s Automatic」、タイトル曲の「Living In A Magazine」、3曲目の「Information First」・・・と途切れなくいい曲が続きます。Kraftwerkの「The Model」のカヴァーも、ポップ風味がさらに増して、味がある。

ちなみに2009年9月には待望のサード『Things Are What They Used to Be』がリリースされています。意外とストイックというか我が道を行くという感じで・・・この人、リミキサーとしての方がなんだか派手さを感じるのですよね。どっちも好きですけど。

■アリゼ『わたしはロリータ(Gourmandises)』(2001年5月)


先生:
Gourmandises
フェムファタールのオーラに溢れるミレーヌ・ファルメールの調教によって、フレンチロリータ歌姫の由緒正しき継承者として現れたアリゼちゃんです。2000年のシングル・デビュー曲『わたし ロリータ(Moi...Lolita)』とこれ以上の直球はないという邦盤タイトル。この時、若干16歳・・・PVもロリータ光線を出しまりくり。その彼女も今や一児の母となり、ロリータとの儚さを感じます。もちろん、アリゼちゃん自身は、ミレーヌ師匠のようにセクシーなフェムファタールとしての道をこれから歩んでいくのでしょうけど・・・でも、このアルバムは永遠の輝き(しつこいけど、ロリータ光線)を放ち続けます。

アリゼ~帰ってきたロリータ
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