テクノポップ/海外のテクノポップ

アリゼ~帰ってきたロリータ

「わたし ロリータ」でロリータ旋風を巻き起こしたアリゼが帰ってきた! セカンド・アルバム『夢見るアリゼ』に続いて、ライヴ・アルバム発売。(2004年12月18日追記)

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

アリゼは、地中海に浮かぶコルシカ島で1984年8月21日に生まれる。人口約26万人のコルシカ島はフランス領ですが、地理的にはイタリア領サルデーニャ島の直ぐ北に位置しイタリアにも近い。皇帝ナポレオン1世の生地としても知られています。

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。
(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)

アリゼがフランスで『わたし ロリータ(Moi...Lolita)』(2000年)でデビューした時は、弱冠16歳。というか、ロリータ最適齢期。プロデューサーのミレーヌ・ファルメールとローラン・ブトナが「わたし ロリータ」を歌わせるために発掘したロリータ秘密兵器。このプロモ・ビデオが超確信犯的キラー・ビデオ。無邪気な顔で、「ジュテーム」と求愛するオトコから金をせしめるアリゼ。オニババのような母にそしられながらも、まだ三輪車乗っている小さな妹とバスに乗ってディスコへ直行。そこで、妙なロリータ光線を放ちながら踊りに興ずるアリゼ。おい、妹をディスコに連れてきてもいいのかい? アリゼに首っ丈のオトコがディスコへ着いてくる...

ロリータというとロリコンに代表される悪い、危ないイメージが付きまといますが、偏見です。タモリが小学5年生からロリコンだと認めているのは、そういう意味では偉い。話がそれました。ロリータは、フランスが世界をリードする映画や音楽の世界に花咲く文化です。「不倫は文化」よりも説得力があります。そして、少女自身もロリータとしての魅力を自覚している。このビデオでも、アリゼは間違いなくロリータ確信犯。結果、このシングルはヨーロッパ中心に世界で300万を超える大ヒットとなる。

アリゼに興味のある人はぜひ、ミレーヌ・ファルメール(ジャケは彼女のベスト・アルバム『Les Mots』)も聴いてみて下さい。ローラン・ブトナが全面的にサウンドの要として作り上げるキャッチーなんだけど耽美的な世界。判りやすい例えとして彼女が歌う「San contrefacon」は、ニュー・オーダー的サウンドに載せたフレンチ・ポップ。ミレーヌとローランがプロデューサーであるアリゼのサウンドにもその遺伝子は、間違えなく受け継がれています。

セカンド・シングルの『風の少女アリゼ(L'Alize)』(2000年)のプロモ・ヴィデオは、シャボン玉と戯れるアイドル然としたアリゼ。ちょっと予算を渋った感じで物語性が無いのが残念ですが、こちらもキャッチーな曲に仕上がっています。

フランスでは2000年、日本では2001年にリリースされたデビュー・アルバム『わたしはロリータ(Gourmandises)』は、全世界で200万枚売り上げました。4曲目の「ボンド・ガール」のオリジナル・タイトルは「J.B.G.」。タイトル通り007のテーマから始まるボンド・ガールに憧れるアリゼ。意外なのは、5曲目。アリゼはプロフィールにてラップ(フレンチ以外)が嫌いと答えています。でも、これはラップです。といってもブラックなのりのラップではなくヨーロッパ耽美主義的なラップです。

01. わたし ロりータ
02. カレとアナタ
03. 風の少女アリゼ
04. ボンド・ガール
05. 隠れ家
06. ちいさな声で
07. カエサルの勝利
08. アブラカダブラ
09. 甘いごちそう
10. 女の子は何を夢見る
11. わたし ロリータ[Lola Extenden Remix]
12. わたし ロリータ[Hello Helli T'es A Dance Mix]
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