テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~GAME TOUR批評(4ページ目)

チケ争奪戦! お馴染みの博士、助手を迎えて、4月27日の大阪に始まり6月1日の横浜で終えた、Perfumeの「GAME TOUR」を批評。次は日本武道館!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

Take me Take me

先生:
ジュディ・オング状態ですよ、それでは。

「Take me Take me」で現れると、椅子を使って、「カモン!ベイビィ」な指しぐさのセクシー・ダンスが始まります。行き過ぎない無機質なエロティックワールドです。「Perfumeの掟」でのPerfumeの実験がここで確実に生かされています。この件については、助手が見事に『GAME批評』で予見しています。

助手:
あのパフォーマンスは、いまのPerfumeだからできることですね。数年前にアレをやっても子供のお遊戯っぽく見えちゃうし、数年後にアレをやるとリアルに生々しすぎます。あと、これも『GAME批評』で言ってたのですが、「非アイドル的なことをやればやるほど、逆説的にアイドル的に見える」というのが、このパフォーマンスでも顕著でした。たとえるなら、新春かくし芸でアイドルが完璧なパントマイムをしてるのを見て、すごいなあと感心しながらもどこか微笑ましい感じというか。パフォーマンスに見入ってるんですが、自然と温かな気持ちで受け入れたくなります。

シークレットシークレット

先生:
アルバムでも「Take me Take me」から「シークレットシークレット」の流れを絶賛しましたが、ライヴでもそこはちゃんとペアになっています。フラッシュライト効果の中、たぶんクラフトワークの「THE MODEL」の世界観をアイドルがやったらこうなるんじゃないかという死ぬほど素晴らしいMIKIKO先生の振り付けが冴え渡ります。結構、歌を覚えてきて、いっしょに歌っている人が多かったのが、印象的です。たしかに、フリはムヅイ!

助手:
「シークレットシークレット」のダンスは最高!! 鳥肌が立ちました。最初マネキンのような動きから始まって、きらびやかな歌とダンスを披露したあと、最後またマネキンの動きに戻るっていう。クラフトワークやDEVO的だとも言えるのですが、歌詞の内容と合わせるとアイドルという存在の暗喩にも見える。最高の笑顔で歌っているあの子は、実は心のない人形のようなもので、本当のあの子のことは誰も知らない。夢の時間が終わると、あの子はまた人形に戻ってしまう。ボクたちはそれを夢の時間だと知りながらも、彼女たちに夢中になる。って、言ってるだけで泣けてきましたよ。くそーほんっとに名曲だな。いずれにせよ、この曲が今回のツアーのハイライトのひとつだったことは間違いないです。

マカロニ~MC(グッズトーク)

先生:
『GAME』の限定盤にも付いてきた各自のVersionのPVに合わせて、「マカロニ」。そして、二度目のMCへと。Pinoの話から始まり、グッズ宣伝コーナーへと。「Perfumeと分からないから使える!」というのが、売り文句。アイドルグッズなんて持っているのは恥ずべきことであるという気持ちを見事に捉えた・・・

助手:
(先生の発言を遮って) 唯一にして最大の問題はグッズです!毎回思うんですが、微妙な色と微妙な幾何学模様のTシャツばっかり。PerfumeのTシャツじゃなかったら、まず買わないし着ない。逆に言えばPerfumeのTシャツだから買ってるし着てるんです。だから「Perfumeってわからないように」されると困るんですよ。ただの微妙なTシャツ着てるだけになっちゃう。もう難しいことは言わないから、普通にロゴでいいんです。Perfumeって入ってるだけで。I LOVE PerfumeみたいなTシャツが前にあったじゃないですか。あんなんでいいんですよ。グッズの収入ってけっこう重要だと思うんですが、デザインを変えたらもっと売れるはずです。

先生:
といいながら、毎回一番大量にグッズを買ってるのは助手だったりするんですが・・・。僕はスタッフTシャツが一番欲しいです。あのタイプのデザインで丁度いいのになぁ~と・・・

さて、アトマイザーの宣伝コーナーで、「彼氏がいな~い」という女性観客からの言葉で生まれた寸劇ではアドリブができるPerfumeの力量を見せつけてくれましたね。

あ~ちゃんは、予測不可能な女子大生。
のっちは、あ~ちゃんに恋するちょっとダメオな男子学生、大木のちお。
かしゆかは、あ~ちゃんを落とそうとするチャラ男なキャラの先生、樫尾ゆたか。

この寸劇が最終日、横浜BRITZで11話完結となります(最終日を見ていないのですが、「P.T.A.」のStaff Blogに報告されるとのこと)。

このあたりのトークでさらにキャラ分けが出来てきたなぁと感じます。当然、あ~ちゃんのトークは絶品で、セールストークをさせると、末恐ろしい感じさえもします! 19歳にして、この強引な説得力。

助手:
あ~ちゃんのトークの完成度はハンパないです。たまに、あまりに完成度が高くて怖くなるときさえあります。「HAPPY!」でも司会として番組を回してますし、そのうちバラエティーの司会も増えていきそうですね。

先生:
かしゆかの成長も著しいですね。ラジオのJKかしゆかで既にかしゆかの力量が堪能できますが、いいプロットがあると凄く生きるキャラですね。

助手:
あ~ちゃんがズバ抜けてるので目立ちにくいですが、かしゆかとのっちもトークは面白いですよね。南海キャンディースの山ちゃんのようなMキャラがいるときの、黒かしゆかはすごく面白い。のっちも噛み芸やイジラレキャラが定着してきましたしね。「生きた心地がしないときは、生きる!」のように、ときおり飛び道具のような発言をするのも、のっちの魅力ですね。

先生:
横浜では、『HAPPY!』にゲストに出た山ちゃんをあ~ちゃんが褒めると、残り二人が全否定していました。特に、かしゆかは暗黒でした。

博士:
毎回思うのですが、あーちゃんののっちへの“返し”が毎回微妙に冷たくてひやひやしますね。

先生:
のっちはあ~ちゃんに突っ込まれて、しょぼんとしている時が残念な感じで、素敵です。あれも十分芸風です。

助手:
あれはおそらくのっちのキャラをあ~ちゃんが、さらに引き出しているんでしょうね。そう思うと、やはりあ~ちゃんはすごいですよ。そういえば、さっき「MCが少し長すぎた」と言ったのですが、驚くべきはツアー初日の大阪と中盤の東京を比較すると、MCのテンポが確実によくなってるんです。大阪ではすべてのグッズの紹介をやったのですが、東京ではMCが活きるようなグッズに絞り込んで紹介してました。「男子」「女子」「そうじゃない人」の掛け合いも、大阪ではやりすぎ感があったけど、東京ではちょうどいいくらいの回数。そう思うとツアーの後半になるにしたがって、MCの長さは同じでも、あまり「長すぎる」と感じた人はいないのかもしれません。

先生:
さて、いよいよ終盤に突入です。
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