GAME
先生:では、大阪のセットリスト順に感想を述べていきましょう。1曲目は事前予想では、前回のワンマンライヴでは「ポリリズム」ですが、「GAME」! これは『GAME批評』でボクも一番ライヴパフォーマンスを期待していた曲です。足音ともにジェダイの騎士のような衣装で現れる三人。しかも、『GAME』ジャケでも披露したライトセイバーを持っているじゃないですか~。これは、スタッフがノリで作り上げたとしか思えないスターウォーズの世界です。こういうのストレートにやってくれるから、いいんですよね、Perfumeって。
博士:
もう皆待ちきれない・・って感じでしたね。 Perfumeとは関係ない開演前のBGMや、事前の注意アナウンスが流れた時点で会場は早くもフルスロットルなんですよ~こんなライヴみた事ないですよ。皆この日を本当に待っていたんでね。イントロの映像が流れ出すと、後ろの女子高生が「やばーい!!やばーい!」って気絶しそうなんですよ!!
先生:
気絶と言うか失神したらOXですよ。
博士:
古過ぎます!
いやこの映像、本当にやばかった。ちょっと動きがぎこちないレトロなCG。蝶に見立てた三人がエレクトロシティーをTRONのバイクみたいに疾走。これですよ。コレが我々がイメージするテクノそのものなんです。
先生:
武器マニアの博士としては、理想的なヴィジュアルですよね。
博士:
そりゃもうたまりませんよ!! あのセイバー、根元から順に先に向かって時間差を付けて光るんですよ!! 見てました?
先生:
ハイ。広島ではかしゆかのセイバーがなかなかつかなくて・・・どきどきしました。
博士:
ダンスと、セイバーを使ったフォーメーション。 コスチュームはダンス用に布で作り直したそうじゃないですか!! 本当に私が気絶しそうでした。
助手:
高松のような小さな会場では、大型モニターではなく薄型テレビ3台並べてましたね。当初小さな会場では映像は使わない予定だったけど、スタッフさんがせっかくだからということで急遽買ってくれた、とMCで言ってました。Perfumeもお金使ってもらえるようになったんだなあ、と改めて思いました。ちょっと前までは小さな電気屋さんでライヴしてたのに、いまじゃ電気屋さんで薄型テレビ買うか、と。映像だけじゃなく、衣装や小物にもお金がかかってましたね。
エレクトロワールド
先生:「GAME」は、ライヴでの近未来の幕開けとしての重要な役割を果たします。以前は中盤以降だった「エレクトロワールド」へ繋げるのは完璧です。「GAME」というのは近未来三部作の流れに沿った作品である事が、実証されます。三人で首を横に振るフリも挑戦的で素敵です。「GAME」では、感動のあまりポカンとしていた聴衆は、「エレクトロワールド」でフリが激しくなりました。
博士:
企画モノで度肝を抜いた後にはちゃんと“答え合わせ”を入れてくる展開は、Perfume初体験のファンにもやさしい展開です。しかも世界観も有る見事な展開。Perfumeのモチベーションも鼓舞されいつも以上の激しさでした。黒いダーティーなコスチュームで踊る「エレクトロワールド」は見ごたえありましたね。
コンピューターシティ~コンピュータードライビング
先生:以前は完全に繋がっていなかった「コンピューターシティ」へと。正に近未来の襲撃です。今回、バックのヴィジュアルも凝ってきましたが、ここはZEPPのような大きなハコが優位ですね。このあたりは、武道館へ向けてさらに壮大なスケールの演出になるのかと妄想しています。
近未来最後の曲は、「コンピューター ドライビング」。これは、ライヴでは異様に盛り上がる・・・横揺れが激しすぎて危ない。Perfumeも歌っていますが、「基本体力がないと~」ダメです。『bitter』で練習してきた人もいるかもしれませんが・・・Perfumeライヴ歴を試す踏み絵曲とも言えましょう。
博士:
なにかと物議を呼ぶ「コンピュータードライビング」・・・一瞬避難体制に入りましたが昔の様な“ヲタ芸”的なノリは成りを潜め摂理あるグルーブに変ってきた印象もあります。
助手:
あ~ちゃんが「揺れて~!」と叫んで煽るのですが、お客さんは「?」といった感じで、実際に横揺れする人は少なかったですね。新しいファンがたくさんいるんだなあ、ということを実感しました。あとPPPHもほとんどなくなりましたね。ヲタ芸ってネタとしてはすごく面白いんですが、それをライヴでやるっていうのはどうかと思うんです。ひどい時はステージ見てないし、歌も聴いてないですからね。
先生:
ヲタ芸についてはたまに映像で見ると笑えますが、毎回やられるとつらいっす。
助手:
前のツアーでPerfumeが「ジェニーはご機嫌ななめ」のコールを変えたじゃないですか。PPPH的なものから、そうじゃないものに。「みんながそうやって叫んでるときも、私は一生懸命歌ってるんです。歌いにくいからこっちに変えて」って。アレは痛快でしたね。偶然かもしれませんが、ああいうアクションが本格ブレイク前にあったのは、非常に意味深いですよね。結果、新しいファンたちはヲタ芸的なことをしない、と。