テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~ファッション&楽曲分析(4ページ目)

けろっぐ博士を迎えて、Perfumeについてさらに対談。Perfumeのオリジナリティの秘密は? 日々Perfumeのような曲を作ろうとする博士が楽曲を分析。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

楽曲分析

博士:
さてPerfumeの楽曲としての特徴・・・基本的には中田節の研究という事になります。
一般的にクラブ系の美少年と称される中田氏ですが、意外と歌モノに秀作が多いのが特筆できます。
楽曲的な特徴として例えば
(1) サビは一拍目から入るメロディーが多く、冒頭でブレス音を入れる場合が多い。
 (「コンピューターシティー」「エレクトロ・ワールド」「ポリリズム」等)
(2)付点でシンコペーションしてかなり引っ張ってから解決するメロディーが多い。
 (「ポリリズム」「エレクトロ・ワールド」等)
(3)ダフト・パンク(例えば「デジタル・ラヴ」)の様に完全ループコードではなくA-B-サビと歌謡曲のサイズを踏襲し、結構コーダ(終止)感も割合はっきり感じさせる。また大サビもしっかり入れてくる場合が多い。
(4)ワンノート的なメロディーで無機的なテクノ感を強調(「wonder 2」等)。
(5) ソロ・間奏はほとんど入れない。
(6) 歌詞の足らない部分は♪ラララで埋めたりする。(「Twinkle Snow Powdery Snow」等)
(7) ほとんど転調はしない。
(9) M7系のループで切なくあいまいな雰囲気をかもちだす。

まとめるなら、一見流行のクラブ系のループサウンドのようで、実は結構我々世代が慣れ親しんだ歌謡曲のサイズ構成を割合しっかり踏襲した曲作りになっていると点が特徴だと思います。歴代ののアイドル系では小室サウンド~伊秩サウンド等、サビ・A/Bメロ間での同名調転調が当然と成ってきた昨今、あえて転調に逃げないメロディー作りも注目ですね。ノリに流されずに一拍目からガツンと入るメロディーも無駄なソロや仕掛け無くても最後まで聞かせるインパクトがある原因とも考えられます。 また、あらゆる特徴が「ポリリズム」と特に「Seventh Heaven」おいて集約してきた印象も感じられます。

先生:
先日、「ポリリズム」を一日に何十回も聞く羽目になって思ったのですが、この辺の楽曲構造が飽きさせにくい秘訣かもしれませんね。
また、最近では「Seventh Heaven」が最高傑作という意見も聞かれますね。
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