「音楽世界旅行」をテーマに数々の国や地域に焦点を当てた連載をしてきましたが、今回、北欧モノは「北欧電子ポップ」として独立宣言します。テクノな熱い視線で記事にしていくつもりです。先ずは、北欧についておさらい・・・
北欧ってどこからどこまで?
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北欧(from Wikimedia Commons) |
北欧(=北ヨーロッパ)とは一般的にスウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランドの5国を指します。スカンディナヴィア諸国と呼ぶ場合は、スウェーデン、ノルウェー、デンマークを指し、フィンランド(よく勘違いされる)とアイスランドは含まれません。グリーンランドも含まれますが、デンマークの自治領なので、デンマークとして良いでしょう。ノルディック諸国(Nordic Countries)という言い方もありますが、北欧と同義と考えて良いでしょう。あと、正式に北欧とはしませんが、旧ソ連のバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)も北欧文化の影響が強いようです。と言うわけで、最初のシリーズは、北欧電子ポップ、英語ならNordic Electro Popであります。
ノルウェーとは?
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Norway |
先ずは、以前
せつないノーウェジアン・ポップとしてノルウェーは一度特集しました。ですから、今回はその続編でもあります。約450万人の人口(横浜市と川崎市を足したぐらい)ながら、音楽的にはキラリと光る国です。80年代なら、a-ha、フラ・リッポ・リッピ(Fra Lippo Lippi)、ベル・カント(Bel Canto)などを思い浮かべる人もいるでしょうが、21世紀においてもノルウェーは小さな音楽大国です。
ロイクソップ再び
amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ) |
The Understanding |
ノルウェーで現在、海外売り上げが最大のアーティストは誰でしょう? スヴェイン・ベルグ(Svein Berge)とトルビョム・ブルンドフラント(Torbjorn Brundtland)からなるロイクソップ(Royksopp)です。あまりにも素晴らしかったデビュー・アルバム『Melody A.M.』(2001年)のため、聴く側に戸惑いも感じられたセカンド『The Understanding』(2005年)ですが、今年(2006年)2月のロイクソップの最高級の来日ライヴを体験して改めてアルバムを聴きなおし、セカンドも聴きこむと味のあるするめの様に十分美味しいではないかと再評価しています。なかなかの決算内容なのに期待されすぎて、失望売りされた株のようです。
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ROYKSOPP'S NIGHT OUT |
ファーストでロイクソップに“せつなトロニカ”的イメージを持ちすぎたのかもしれません。彼らの本質はファンキーさにあると再確認。「Remind Me」「Poor Leno」「Eple」は当然、定番的に素晴らしかったですけどね。来日記念盤『ROYKSOPP'S NIGHT OUT』では、2005年のライヴの模様が収録されています。ロイクソップは侮れないライヴ・バンドである事を証明しています。
ロイクソップのブレイク後、雑誌やレコード屋でも「ロイクソップ的」との形容をよく見かけますね。こちらも大ブレイクしたMYLOや最近ではCagedbabyとか。どちらもイギリス勢ですが、ロイクソップの影響力を世界的に感じます。