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加藤和彦と和製ニューウェイヴ(4ページ目)

レゲエ歌謡を掘っていくと、YMO人脈とも被り、その裏番長というべき人物にぶち当たる。加藤和彦こそがキーマン。そして、続く和製ニューウェイヴ・レゲエ。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

元祖ニューウェイヴ・スカ・・・ザ・ノーコメンツ

【先生】レゲエ、スカはニューウェイヴに取り込まれる形が多かったですが、この時代にレゲエ、スカが前面に出ていた日本のバンドと言えば何でしょう?

【山本】真っ先に挙げられるのは、やはりザ・ノーコメンツ(The No Comments)でしょうね。ほぼ全ての曲がスカ・ビートですから。スマッシュ・ヒットした「東京ガール」が知られますが、「ひょっこりひょうたん島」のファニーなスカ・カヴァーも秀逸です。




【先生】『THE NO COMMENTS』(1980年)、『東京ガール』(1981年)、『PSYCHEDELIC "C"』(1982年)の3枚のアルバム(大村憲司プロデュースの2枚目が最高!)を残した8人編成のザ・ノーコメンツですが、元祖ジャパニーズ・スカ・バンドとして重要ですね。東京ではなく、京都のニューウェイヴ・シーンから出ているのが嬉しいですね、京都人としては。ちょっと、女性ヴォーカルがプラスチックスのチカっぽいんですが、基本はスカであるものの、テクノ、パンク、ファンカラティーナなどの複数の要素を持ち合わせており、2トーンの人たちよりも実験性に富んでいますね。

【山本】関西出身だったんですか!てっきり東京シーンから出てきたもんだと思い込んでました。すかさずメモ。 あともうひとつ、レゲエの持つルーディな空気と歌謡曲の間に接点を見出したビジネス(Business)も忘れてはいけませんよね。

和製ポリス?・・・ビジネス

【先生】和製ポリスと言っているのは先生だけですが、デビュー・アルバム『Business』(1980年)は当時、愛聴しました。ルックス的にニューウェイヴと言うのには中途半端なんですが、東京おとぼけキャッツにデビュー前に在籍した美空どれみのハスキーでセクシーなヴォーカルが好きでした。「素敵な粋人星(スウィート・スター) 登場」という意味不明のコピーでよく買ったもんだなーと我ながら感心しますが。「うわきわきわき」は鈴木慶一のアレンジなので買ったのかも。

セカンド・アルバムもあって、探しているんですが・・・

【山本】えーっと、ちょっと待っててくださいね…(と奥の部屋に引っ込む。5分後)…持ってましたぁ!

【先生】(その後、譲っていただく。)セカンド・アルバムは『Crisia』(1982年)ですが、なんだかジャマイカのピカソのようなジャケですね(笑)。ファースト・アルバムよりも地味、よく言えば渋いですが、ここまでレゲエ歌謡の世界を追求してくれたビジネスは先生の記憶に残るバンドです。


さて、次回はもうちょっとムーンライダーズ関連から掘っていきましょう。

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