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ポップの錬金術師~Part 1 ミルク&ハニー・バンドの生活(3ページ目)

自称「国際的な謎の切れ者」、XTCのアンディ・パートリッジが大推薦する、メロディーとハーモニーとカッテイング・ギターが奏でるモダンポップの逆襲。久々の英国の良心。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ミルク&ハニー・バンド、ついに日本デビュー!

通算3枚目となるアルバム『ミルク&ハニー・バンドの知られざる生活。(The Secret Life Of The Milk And Honey Band)』は、18曲、本当に棄て曲がない。アコースティク・ギターのカッティングから始まる「Way Too Long」・・・XTCの精神を受け継いだギターポップとモダンポップの結晶のようなキラー・チューン。「Messge」は、よりフォーキーな(ニュー・アコースティックと呼べば今風?)Clowded House的作風。「Four Leaf Clover」は、完全なる泣きメロ・・・XTCの「Easter Theatre」とかにも匹敵する、最盛期のポール・マッカートニーの世界。そして、ソフトロック・ファンにも支持されそうな「Satellite」。

シンセ音で始まる5曲目の「Letting Go」でまた涙涙、これもSplit EnzというかClowded House的なビートリッシュ・ナンバーですが、エンディングはちょっとテクノだったりする。「Interlude No. 2」でチルアウト後、セカンド・アルバムのタイトル曲。ほとんど、MHBのアイコンとも言えるカッティング・ギターの「Find The Ocean」で再びClowded House状態。前述の「Sold My Star」から、「Photograph」はタヒチ80やフェニックスにも通じるソフトロック、いやビーチボーイズでしょうか。「Road」でも、美メロ炸裂、こいつらどんだけいい曲を書けばいいんだ。アーシーな「Hole In My Heart」から純アコースティックな「Never Think About You」から、持ち味とも言えるサイケデリックな部分を押し出した「Silver Horses」・・・この辺がアンディの言っていたムーディー・ブルースなのかも。

01. Way Too Long
02. Message
03. Four Leaf Clover
04. Satellite
05. Letting Go
06. Interlude No. 2
07. Boy From The Moon
08. Find The Ocean
09. Sold My Star
10. Photograph
11. Road
12. Hole In My Heart
13. Never Think About You
14. Silver Horses
15. Ship Of Fools
16. Here I Am*
17. Baby's Song*
18. Happy*
*日本盤ボーナストラック


古くはビートルズ特にポール・マッカートニー、そしてビーチボーイズなどの遺伝子を引き継ぎ、XTC、Split Enz~Clowded Houseなどにも通じる久々のビートリッシュなモダンポップ・バンドと呼べる人たちです。それは、模倣ではなく、彼らの愛情と解釈と才能の賜物です。長い間、こんなバンドが世間の注目を浴びずに埋もれてしまっていたのは、残念です。このアルバムが少しでも多くの善良なポップ愛好者に聴かれる事(そして中毒になってください)を切に望むしだいです。来日した事はないようで、とても来たいそうです。ぜひ、来日コンサートしてください。

The Milk and Honey Band
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