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ポップの錬金術師~Part 1 ミルク&ハニー・バンドの生活

自称「国際的な謎の切れ者」、XTCのアンディ・パートリッジが大推薦する、メロディーとハーモニーとカッテイング・ギターが奏でるモダンポップの逆襲。久々の英国の良心。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

アンディ・パートリッジ(XTC)が発掘!

ミルク&ハニー・バンド(The Milk & Honey Band)・・・以下MHBと略します。それほどそそる名前ではないのですが、バンド名からは、ジョンの死後にリリースされたジョン・レノン&ヨーコ・オノ名義のアルバム『Milk And Honey』が思い浮かびます。彼らの日本デビュー・アルバム『ミルク&ハニー・バンドの知られざる生活。(The Secret Life Of The Milk And Honey Band)』の帯には「アンディ・パートリッジ(XTC)が発掘した3人組デビュー!」とのキャッチが。このキャッチは、一部のポップ・マニアには殺し文句。そして、試聴機で聴いてみると・・・1曲目から完全にノックアウト負け。アルバム・タイトルもひねくれた感じで、秘密大好き。

「アンディのプロデュース」と書かれている文章も見つけたのですが、メンバーのロバート・ホワイトのプロデュースとアルバムにはクレジットされていますので、誤報かと思います。ただ、アンディがプロデュースしたと思い込める内容であることは事実です。ちなみに、アンディが今までブロデュースしたのは、デヴィッド・ヤズベック(David Yazbek)、マーティン・ニューウェル(Martin Newell)、ライラック・タイム(The Lilac Time)、ハロルド・バッド(Harold Budd)などです。Pony Canyonの公式ページにもありますが、ライナーではアンディーがとってもステキな推薦文を書いています。自ら、国際的な謎の切れ者(the international smartness of mystery)と名乗るところに、誇り高き英国人を感じます。アンディがLA'sが好きなのはなんとなく判るのですが、ダークネスもかなり認めていたのは意外でした。

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
XTCという英国が誇るべきバンドを知らない読者の方も居るかもしれませんので、ちょっと解説します〔ジャケは、デモやレアテイクを集めたボックスセット『Coat of Many Cupboards』(2002年)〕。1975年にアンディ・パートリッジ(Andy Partridge)、 コリン・モウルディング(Colin Moulding)、テリー・チェンバース(Terry Chambers)のスウィンドン出身の3人でヘリウム・キッズ(Helium Kids)として結成後、バリー・アンドリュース(Barry Andrews)を加えて、XTCに改名し(本当に改名してよかったと思います)、1977年にVirginレコードからシングル『3D EP』でデビュー、1978年の『White Music』がファースト・アルバム。デイヴ・グレゴリー(Dave Gregory)がメンバーだった時期もある。

Three Wise MenやThe Duke Of Stratosphear名義でも活動。1997年にVirginレコードを袂を分かち自らのIdeaレコードを設立し、アンディとコリンの二人ぼっちになり、『Apple Venus Vol.1』(1999年)、『Wasp Star~Apple Venus Vol.2』(2000年)をリリース。XTCは無冠の帝王、XTCはひねくれもの、XTCはカルトバンド。初期XTCは、ニューウェイヴやテクノポップ的な見方もされていましたが、個人的にはビートルズの良質かつ狂気な部分を引き継いでいる、偉大なる英国バンド。

ビートリッシュなモダンポップ

リリース元は、アンディが始めたApe Houseというレーベルから。レーベルは、「Fuzzy Warbles」シリーズなどのアンディー自身の作品と彼が敬愛するアーティストのリリースを目的に設立されました。ロバートが、マンチェスターのレーベルからインディー・リリースしたアルバム『Boy From The Moon』をアンディに送り、推薦文にあるようにアンディの賞賛を浴び、リリースとなったようです。Ape Houseでは、MHBの曲やロバートへのインタヴューが聴けます。

ブライトン出身の3人のメンバーは・・・
■ロバート・ホワイト(Robert White)
■マイケル・タブ(Michael Tubb)
■リチャード・エール(Richard Yale)

次は、彼らのディスコグラフィー。
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