B-3. Bridge Over Troubled Music
映画ではありませんが、蛇足。このタイトルは、1969年、サイモン&ガーファンクルの「明日に掛ける橋(Bridge Over Troubled Water)」からである事は、御存じの方も居るかと思います。でも、おたがいの曲の内容に、なんら関連はありません。座興までに。
B-4. Mad Pierrot
「気狂いピエロ」として、説明不要な程有名なヌーヴェルバーグの名作です。TVの映画ガイドなどでこの映画が紹介されるときは、「上記の映画は・・・」などと紹介され、決してタイトルを読まれることが無い映画としても有名。
パリから、ニースまでやけっぱちの逃避行を転がり続けるジャン・ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナのストーリーは、前作「勝手にしやがれ」の拡大版とも言えますが、「勝手にしやがれ」とは違い、こちらは天然色映画だけあって、「中国女」と同様に、ゴダールの色彩センスが確認できます。ぶっちゃけて言うと、往年の「渋谷系」ミュージシャンが好んだ配色なんですよね。
作中で、アンナ・カリーナが木登りしながら歌うシャンソンがとても印象的ですがきちんとサウンドトラックになっています。
「東風」や「中国女」が、いかにも当時の坂本龍一が好みそうな左翼的メッセージを帯びている真剣を突き詰めた雰囲気、またハリウッド的なエキゾティズムとロマンスに溢れた「The World of Suzie Wong」が細野晴臣好み、と推測できるのに対し、スタイリッシュでストイックな「気狂いピエロ」は高橋幸宏のセンスかな、と言う気もします。
ところで、昔、ロマンポルシェ。オフィシャルウェブサイトで、どなたか失念しましたが、”「気狂いピエロ」の見所は、アンナ・カリーナのケツだ!”と核心を突いた意見を述べた人が居ました。(作中のアンナ・カリーナは、タイトなジーンズ姿で美しいシルエットを披露しており、「こんなピチピチしたやつ穿きやがって」と皮肉を言われます。)しかし、日本国で推定5万人は存在すると思われるアンナ・カリーナのファン(私含む)が言いたくて言えない本音を代弁した名言「気狂いピエロの魅力はアンナ・カリーナのケツ」に対し、掟ポルシェ。氏は、ヌーヴェルバーグのような小賢しい映画はクソだ!男が見る映画はVシネマ以外許さん!」と、これまた天下一品の暴言を吐いていました。
B-5. Acrobat
ゲームの名前からですよね。これは映画と何の関連もありません。
冒頭で述べたように、ゴダールの映画の内容とYMOの楽曲とは、まったく関係無いのですが、これらのタイトルを命名したYMOのメンバーの精神的履歴を辿ってみることも、決して損ではないと思いますし、昔のテクノ少年少女は、そうやって音楽以外の色んな文化に触れていったことなど回想しつつ筆を置きます。
吉野君、今回は渋いテーマで決めてくれました。最終項は吉野君のプロフィールです。
【関連リンク】
◆『YMO周辺のオキナワン』
◆『YMOの遺伝子~第1回』
◆『YMOの遺伝子~第2回』
◆『YMOの遺伝子~第3回』
◆『YMOの遺伝子~第4回』
◆『YMOの遺伝子~第5回』